先月1日に最後のフォード・トーラスがシカーゴの工場から出荷され、33年の歴史に終止符が打たれました。
1985年に1986年型車として登場したトーラス、当時はGMのダウンサイズの衝撃並みの話題だったんです。なにせそれまで品質は悪く、格好は悪く、全く取り柄のない中型乗用車ばかり揃えて半ば諦めかけられていたフォードから、以前とは全く違う革命的に違う思想の量産車が出るとは、噂では聞いていて、その斬新的な格好も多少は話に出ていたとは言え、いざ報道写真が出回ると皆、おったまげました。専門家は皆口を揃えてこれじゃ、売れない、これでフォードも終わりだと、商品の評価とは別に一般大衆の受け入れは困難じゃと、推測したものの、実際は大ヒットになり我が国の中型乗用車の代名詞、アコード、キャムリーとトーラスの表現が始まったのでした。
初代のトーラスは外観が以前とは全く違う先進的な格好になっただけではなく、星の数程揃えられたオプション群で自分の好みの仕様を注文できたり、走りも中々で、敵相手のGMは同時期に以前としてXボデーにふくらまし粉を混ぜた様なカクカクした時代遅れの車種しかなかったのですから、アコード・キャムリー・トーラスの中型車戦争には関与できる様な車種はありませんでした。
その複雑な車種構成だった初期型トーラス、非常に凝ったデジタル計器盤にこれまた凄いドライヴ・コンピュータが組み込まれていたり、サンヴァイザーを横にすると延長部を引き出せたり、2.5リッター四気筒の手動変速機仕様なんて興味深かったですね。四気筒五段手動変速仕様はMT5と命名され余りにもの非力の廉価版でフリートにも相手にされず数年で姿を消しましたがセダーンとステーションワゴン両方にあったのが関心です。
奇妙なオプション装備と言えば、トーラスは2000年あたりまで燃料タンクの容量が二種類あり、初期型は延長走行距離オプションとして、標準の16ガロンより2ガロン多めの18ガロンの燃料タンクを注文できました。2ガロンと言えば7.6リッター、多分燃費証明の認定の為、2ガロン分5.4キロ減らしたかったのが真相だと思っていたら、モデルチェンジ後も続いたので真相は如何かな。でも延長走行距離と言っても2ガロンならせいぜい70キロ余計に走れる程度で、航続時間としても45分くらいですね、理由が定かではないんですがその後高性能仕様のSHOやらエサノール・アルコホールでも走れるが燃費が劣るフレックス・フューエル仕様は最初から18ガロンタンク装備でしたけど、結局2001年になってやっと全て18ガロンタンクに統一されました。
初代から警察仕様も加わり、最初は余り人気がありませんでしたが、ラジエータグリルの楕円のエムブレムの両脇に冷却用のスリットが開いているので識別できます。この警察仕様を元に高性能盤のSHOに発展しました。
二世代目から警察仕様は本格化しますが、エムブレム横にあった冷却用のスリットは、今度はエムブレムの下、バンパー上部に設けられた横長の穴に変わり、これで識別できます。
ラジエータグリルと言えば姉妹車マーキュリー・セーブルはラジエーター・グリルを潰して全面に飾り照明を装備して、ライトバーなんて呼ばれていましたが、あれも暗がりで目撃すると印象に残りましたね。。。。後にポンテイアックが臆面もなく真似したのが愉快です。
二世代目まではコーナーリング・ライトなんてのも装備できましたね。。。
1990年代になり1996年の楕円をモチーフにしすぎて大失敗したにも関わらず、年間400,000台を売りさばいていましたが、後半にはフリートとレンタカー販売が主な顧客になり最後の数年は一般顧客には販売せず、2007年に一旦販売終了。同時期にヴォルヴォと共同開発したSUV用車台に背の高いセダーンを着せた、その名も懐かしい "Five Hundred" がトーラスの代わりになりますが、数年後 FIve Hundred の名称もトーラスに変わり今年までつずいた訳です。よってフォードのセダーン型警察車両、ポリース・パースート車もこれで終わり。あとはツインターボのエクスプローアーが変わりを務めるそうです。
まあトーラスだけではなくフォードは北米の乗用車販売から全て撤退する方針なので、悲しいですなあ。。。。
トーラスは日本でも結構売れた様子だったので、当時のハナシなぞ聞きたいです。
ハイ。
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2019/04/12 12:39:06