今年になってから路上で気になっていたんですが、2018年型からどうも、我が国の後部方向指示器がオレンジ色になりつつあるんです。
車両灯火装備の権威、ダニエル・スターンさん、今年あった産業展示会やらで初めて日本を訪問しえらく感動していた。。。彼に聞いてみると、イヤ、別に法律的には変化はないですよ、との話でしたけれど、今年から輸入車・国産車共に方向指示器がオレンジ色の車両が多くなりつつあります。当然オレンジ色の方向指示器は赤より遥かに視認性に優れています。
自動車の安全性は北欧のヴォルヴォが大々的に宣伝にそれを強調したので最先端と思われがちですが、国土の面責、走行距離から必然的に早くから安全性の重要性にきずいたのは合衆国だと思います。
それも面白いのは自動車製造側が安全性の主導をしてきた訳ではなく、保険業界団体が政府に働きかけて法律を変えたりしてきた歴史が特質されると思います。IIHSと言う保険屋さんの非営利団体が非常に権力が強いです。
当然車両製造側は安全性など経費が嵩み販売向上に役に立たないので、安全性を問題視したラルフ・ネーダー氏に探偵の尾行をつけたり嫌がらせをさせて、おまけにそれがバレて政治的問題にハッテンしたのが1960年代後半、あのシェヴォレイ・コーヴェア事件です。
5マイルバンパー、三つ目のハイマウント・ブレーキライト、エヤバッグなどが良い例です。事故で支払われる補償代金が少なければ少ないほど保険屋さんは儲かりますからね。保険団体は安全技術の研究を独自に行い法律を変えるんですけど当然製造側のコストが上がるので保険屋さんと自動車屋さんの仲は余り良くないようです。
1970年代前半、まだ真面目なクルマ作りをしていたメルセデスは過去の統計から最も事故の少ない、認識性の優れた色を選びカラーチャートを顧客向けのカタログに刷り、一時期欧州の流行はオレンジやら黄色が爆発的に流行った時代がありました。
これが消費者対象の自動車ならどの色選んでもえーじゃねーか、当然個人の自由なんですが、走行距離と安全性に関わる経費が重要となる商用車、フリート車両になると話は変わります。宅配業者の大手、明るい色で塗られているフェデックスと暗い茶色で塗られているUPS社の事故率の違いは有名な話です(フェデックスのロゴに矢印が隠されているの、ご存知ですか?こう言うのをサブリミナル・メッセージと申し、以前警察番組コロンボでも使われました。。よーくご覧あれ ヒント、EとXとの間。。。)だから今回発表された新しいトヨタのタクシー、黒塗りにしたのは良くないと思います。
当時のメルセデス車は、運転席から360度ぐるりと見渡してピラーで遮られる死界が何度あるとか、考えてみれば当然の事なんですがそう言った事を消費者に真剣に提案していたのです。それが今じゃ流行に流されて安全性、死界がどうのこうのなど全て”過去の神話”的に処理され企業哲学もなにもあったもんじゃない商品を作る、昔のあの会社の製品を知っている我々は非常に寂しい気持ちになります。まあ、そこまで追い詰めたきっかけはレクサスLS400なんですがね。。。。
因みに北米で販売しているメルセデス・ベンツの乗用車、ここ数年、方向指示器は全て赤色になってます。技術の退化。完全に商品開発の主導が技術屋ではなく、マーケティングに握られている証しです。この会社、ふた昔はこうじゃなかった。。。まあ、今じゃ何処に行っても同じ傾向ですがね。 非常に残念です。
麻薬と酒の泥沼に溺れ、若き年齢で1970年にこの世を去った人気女性歌手、ジャニス・ジョップリン。彼女が亡くなる数ヶ月前に発表した曲。。。
ああ神よ、私にメルセデスを買い与えて下さい。
私の友達は皆、ポーシャに乗っています。
神が私を愛されている事を証明して下さい。
だから、私にメルセデスを買い与えて下さい。
この唄を本家のメルセデス社がテレヴィジョンのコマーシャルに使っているのを観ると複雑な気持ちになるのはぼくだけでしょうか。。。。彼女が愛していたポーシャの色も安全色の一環みたいですね。
冒頭の金井克子女史は本職がダンサーだったので、本格派です。昔のドラマ、ザ・ガードマンで演技も見られます。
Posted at 2018/10/21 00:46:39 | |
トラックバック(0) | 日記