高崎郊外にある「群馬の森」は美術館や博物館などを擁する公園で、入り口付近は明るく開放的な景観で、近代的な建築物が並んでいる。
公園の敷地はかなり広く、そこから奥に向かって行くとその名の通り周囲は森に囲まれており、陽が傾いてきたこともあって薄暗い感じになってきた。
しばらく歩くと、柵の向こう側に目指している建造物らしきものが見えてきた!
この一帯はかつて陸軍の火薬製造所があったところで、公園の周辺にはまだその跡が残っていることをネットで知り、今回の探索となったが、どうやらこれはその施設の一つのようだ。
正式名称を「東京砲兵工廠岩鼻火薬製造所」と言うそうで、明治15年から昭和20年までの間、軍用・産業用火薬やダイナマイトなどがここで製造されていた。
中を覗いてみたいが残念ながら私有地のようで、柵の外からしか見ることができない。
この場所には他には建造物もないようなので、先に進む。
入り口付近と違って散策する人の姿も少なくなり、ひっそりとしている。
上空からのカラスの鳴き声と共に不気味感が醸し出され、探索にはおあつらえ向きな雰囲気になってきた。
別の場所ではやはり柵があり、立ち入り禁止の立て札が掲げられているものの、先程よりは真近に施設を見ることができた。
柵の間から手を延ばして撮影。
おそらくこの中で火薬類が製造されていたのだろう。
厚いコンクリートの壁と鉄の扉が、危険な作業であったことを物語っている。
そこから少し先に進むと、
同じような造りの施設が姿を現した。
幾度も爆発事故が発生しており、施設の周りにある土塁は爆発の際の周囲への被害を抑えるためのものだったらしい。
事故の痕跡はどこかしこに刻まれているのだろうか。
無言のまま何かを訴えてくる。
おや、あれは?
土管で作ったトンネルのようだが・・・。
後で調べたところ、爆発事故があった際の避難場所だったとの情報もあった。
市民の憩いの場所である長閑な公園。
しかし、その片隅には公開されるでもなく、さりとて撤去される訳でもなく、ひっそりと息を潜め、ただひたすらに朽ち果てるのを待つだけの哀しき遺構の姿があった。
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鉱山 遺構 廃墟 | 日記
Posted at
2017/01/15 14:13:37