2016年07月31日
私の大好きなBMW直列6気筒NAエンジンが「絶滅」してしまいました。
恐らくこの先、蘇ることはないでしょう。
どうしてこのような事態になってしまったのでしょうか?
長い間、私なりに考えてきたことを書いてみます。
クルマ業界に無関係な私が独断と偏見を交えて書きました。
間違いがあれば訂正をしていただき、みなさんと一緒に愉しく考えていくきっかけになればと思います。
NAエンジンに取って代わったのが、主に直噴エンジンとハイブリットシステムです。
ここでは「直噴エンジン」について取り上げたいと思います。
ところで、直噴エンジンの影響は実に多岐にわたっています。
背景には、もちろんユーロ6を始めとした環境問題があるのは明白です。
もちろん自動車にも責任があるのは確かですが、本当にクルマだけの責任でしょうか?
私はそうは思いません。
個人的な意見ではありますが、世界中にある火力&石炭を使った発電システム、航空機などもっと多くCo2を排出するものの規制を厳しくすべきだはないでしょうか。(ちょっと熱くなってしまいました。)
直噴エンジンは、燃料噴射をコントロールするシステムがポート噴射よりも複雑です。
(スバルの技術ではその開発が難かしく、トヨタよりD-4Sを買ってBRZを作っています。)
シリンダーの内部に、あえて濃度が濃いところと薄いところを作るわけですので、ポート噴射よりも爆発のタイミングにタイムラグができやすいのです。
そもそも、高回転には向かないエンジンの制御システムであることが問題なのです。
その証拠には、ディーゼルエンジンは直噴が基本で成り立っています。
つまり、直噴エンジンを導入する前提が、高回転領域のパワーとトルクを捨てて、有害物質の削減や燃費の向上を選んだということにあります。
このような特性から直噴システムは、気筒が長いロングストローク、大排気量のエンジンとの相性がいいのです。
例えば、2000ccで6気筒よりも、同じ排気量ならば4気筒にしてロングストローク型のエンジンにしたほうが効率的に直噴システムを使えるのです。
穿った見方をすれば、そのようなことを見越してE46 318に4気筒エンジンが搭載されたのかもしれません。当時の表看板は、「バルブトロニック」でしたが、その裏には直噴エンジン導入に向けた壮大な計画の第一歩だったのかもしれません。
そして、低圧ターボの着装です。
高回転領域のパワーが出ない直噴ですので、低回転領域でパワーを稼ぎだすようにしたわけです。
「2リットルのエンジンで3.5リッターエンジンと同じパワーが出るんですよ。」という営業トークをよく聞きます。(だったらその3.5リッターエンジンを新しくつくって欲しかったと思うのは私だけでしょうか?)
NA、特にBMWの直6エンジン(ショートストローク型)は高回転領域まできれいに回りパワーを絞り出す仕様ですので、直噴にすること自体がナンセンスです。
あえて高回転が回らない直6に低圧ターボを付けることは、非常に不誠実なことではないでしょうか。
私が最近、BMWのエンジンに対する姿勢に疑問を持つようになったのは、このような経緯を仮定しながら検証してきたからなのです。(もちろん正しいかどうかなんてわかりません。)
他方、ポルシェが直噴化をしながら低圧ターボをつけなかったのは、ポルシェの意地と良心からだったのではないのかと私は考えています。
997後期型から直噴化せざるを得なくなったことで、かえって水平対向6気筒エンジンを磨いてきたその姿勢に私たちポルシェ好きは賞賛の声を惜しみません。
技術の進歩は素晴らしいものであり必然でもあります。
しかし、失ったものは二度と帰ってくることはありません。
私の997カレラも「二度と手に入らない」貴重なものだと思っています。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
Posted at 2016/07/31 20:49:02 | |
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