2012~2014YMでは「Pure」、「Prestage」、「Dynamic」の3グレード構成でしたが、2015YMで「Autobiography」が加わります。「Autobiography」は当然のごとく全てが「オックスフォードレザー」となるのですが、「Prestage」がある以上、このブログの主題であるレザーに限っては個人的にそこまで魅力はなく、また資料も少なく「前期Autobiography」についてあまり語る点はありません。しかし、これから本記事で語っていく"後期"におけるグレード構成の見直しは、おそらくこの「Autobiography」の登場が大きく影響しています。イヴォークに限らず「フルモデルチェンジ」ではない「ビックマイナーチェンジ」、いわゆる「てこ入れ」にて、通称”後期型”と呼ばれることになるイヤーモデルたちの宿命、そう、恐怖の「コストカット」が訪れるのです。
2016YMは上記にもあるビックマイナーチェンジが行われ後期型となり、大きくは変わらないものの内外装ともに細かい多くの改良が加えられ、別の車種と言ってもいいくらい印象が異なる車となりました。
グレードも SE / SEplus / HSE / HSE dynamic / Autobiographyとなり、ますます訳が分からなくなっていきます。僕的には、前期「Pure」が後期「SE」相当、前期「Prestage」が後期「HSE」相当、その中間に新グレード「SE plus」ができ、前期「Dynamic」が後期「HSE dynamic」、「Autobiography」は前期も後期もそのまま、という形で置き換わるのかなと思っています。
しかし、特に「Prestage」→「HSE」にて、僕が最も気にするダッシュボード周りやドアトリムと言った部分に「オックスフォードレザー」が選択できなくなる事態となり、事実上のコストカットと言えると思っています。
SE / SEplus / HSE / HSE dynamicの4グレード全てにおいて、標準がいわゆる「ソフトタッチ素材」となり、Autobiographyのみ標準で「オックスフォードレザー」となります。
ただし、前期「Dynamic」に「Dynamic Plusパック」のOPにて「ソフトタッチ素材」を「オックスフォードレザー」にできたように、後期「HSE dynamic」のグレード”のみ、「オックスフォード・レザーインテリア(OP名)」という、218,000円のメーカーOPにてダッシュ周りやドアトリムを「オックスフォードレザー」にすることができます。
つまり、後期にて「オックスフォードレザー」のインテリアとなりえるのは約800万円からの「Autobiography」か、約700万円からの「HSE dynamic」に約22万円のOPをつけた車両のみ、ということになります。
「Prestage」はスタート価格約600万円前後で標準で「オックスフォードレザー」のインテリアだったのですが、後継にあたるであろう約640万スタートの「HSE」では「オックスフォードレザー」は標準ではないどころか、OPで選ばせてももらえない、これが前述の僕の思う事実上のコストカット、というわけなのです。また、初期のイヴォークにはなかった「Autobiography」が後から加わり、「Autobiography」とその他のグレードをはっきりと区分けするために「プレステージ」相当の「HSE」では「オックスフォードレザー」インテリアが廃止されたのだと僕は感じています。
ところで、後期型となった2016YMのカタログでは、グレード別にシートにはどんな素材が使われているかの表記は見られるものの、ダッシュ周りやドアトリムなどのインテリアにはどんな素材が使われているかについては、いよいよ記載すらされなくなりました。「ソフトタッチ素材」という表現も存在しなくなります。
また、「オックスフォード・レザーインテリア(OP名)」という表記も2017YMまでで、2018YMからは「ウィンザー(オックスフォード)レザーインテリア」という表記に変わります。わざわざかっこ書きでオックスフォードであることを示しているのは、イコールなのか、後継であることを示しているのかは分かりません。ウィンザーとはオックスフォード同様地名であると思われ、ウィンザーとオックスフォードは少し離れた場所にあるのですが、実際どういう意図なのかは現時点では調査しきれませんでした。
<2022/02/03追記>
オックスフォードレザーとは「オックスフォード地方で鞣された革を広くオックスフォードレザーと呼んでいた」と記載がある
記事があります。
またオックスフォードレザーは「イタリアのILCEA社がフランス、スイス、ポーランドの最上級の吟面をもつカーフ厚皮のみを厳選しながら」と記載がある
記事もあります。
そして、ウィンザーレザーには「ヨーロッパ産の原材料と、リオグランデドスル地方から厳選された南米の牛の両方から作られています」と記載がある
記事もあります。
このことから、まず○○(地名)レザーとは、革の原産地ではなく、加工場所や発祥地(現在どうかはまた別)を示すものだと解釈しました。難しいですね(;'∀')
ですので、ランドローバー社における「ウィンザー(オックスフォード)レザーインテリア」という表記は、"今までのオックスフォードレザーに変わってウィンザーレザーに変わりますがほぼ同格ですよ"という意味のカッコ書きだと思っています。
<2022/02/03追記おわり>
しかし、オックスフォードレザーという表記はここで消滅し、以降の新型イヴォーク、現行のランドローバー車においてはトップグレードのレザーを「ウィンザー・レザー」と表記しています。
イヴォークはYMの変更でじわじわと値が上がり、前期から後期に変わる際は特に大きく値上げして行き、2012YMではピュアのスタート価格は450万円だったのに対し最終型2018YMのSEはスターと価格502万円と50万円高、プレステージ/HSE以降に関しては前期と後期では約100万円の開きがあります。もちろん新機能や改良は毎年行われており、よりよい車に近づいていった分も値上げには含まれておりますが、車体に使われる高級素材、についてはひっそりとグレードが下げられつつある現実を、実はここまで調べるまで気づくことができませんでした(あくまで僕の場合)
イヴォークに興味を持ち中古車選びをしている段階で、ここまで調べ上げる変態はそういないと思います。僕は最初から後期のみを狙っていたので前期についての調査はほとんどしませんでしたが、前期/後期で迷っている人は、この2つのブログが少しでも参考になれば幸いです。
ちなみに、新型イヴォークではレザーについて下のグレードから順に「デュオレザー」「グレインレザー」「ウィンザーレザー」で使い分けています。初登場の「デュオレザー」は、調べてもわからなかったのですが、おそらく英企業の合皮であると解釈しています(全然違う恐れあり)また、最近発表されたレンジローバーには「セミアニリンレザー」の他、「ニアアニリンレザー」という表記もあります。セミアニリンはわかるのですが、ニアって初めて聞いた上一切情報がないので、これがどういったものなのかは全然わかりませんでした(笑)とりあえずセミアニリンよりは高価なもの見たいです。
「パーシャルレザー」「グレインレザー」「オックスフォードレザー」「ウィンザーレザー」「デュオレザー」「セミアニリンレザー」「ニアアニリンレザー」、一部他で通じる表記もあるものの基本的には英国またはランドローバー社の造語と言ってもいいレベルの表記な上、他社にももちろん「コノリーレザー」や「ナッパレザー」、「バルコナレザー」や「メリノレザー」などいろんな表記がある上、本革ではなく合皮でも語尾にレザーがついたり、同じ○○レザーでも○○は必ずしもクオリティを指すわけではなく、同じ呼び名でも月とすっぽんくらいのクオリティ差があるものもあります。もはや何が何だかわからない上、十分な説明もないので、みなさんどうやって認識しているんだろうと不思議に思いました(笑)
このまま画像なしも味気ないので(笑)最後に、私のイヴォークのインテリアを紹介しておきます。
2018YMの後期型、グレードはHSE dynamicですので標準では「ソフトタッチ素材」ですが、「ラグジュアリー・シートパック」に付属する「ウィンザー(オックスフォード)レザーインテリア」のOPにて、ダッシュボード周りやドアトリムにもウィンザー(オックスフォード)レザーが使われています。
カラーは「ルナ/アイス」と呼ばれる配色で、グレー(ルナ)のレザーや水色(アイス)のレザー、ターコイズのステッチが使われた希少色となります。なぜ希少かというと、HSE dynamicはこの「ルナ/アイス」の他に「ピメント/エボニー」(赤色)と「タン/エボニー」(茶色)のHSE dynamicグレード専用色に加え、下位グレードで選べるほとんどの配色を選択可能なので、圧倒的に「ルナ/アイス」以外の物が選ばれている傾向にあります。また、ほとんどのディーラー見込み発注車ではこの配色が選ばれることはなく、購入者がフルオーダーで「ルナ/アイス」を選択した車両のみ設定されているのではないかな、と予想しています。
また、「ルナ」についてですが、前期においてはグレーというよりかはどちらかというと限りなく黒に近い配色に対しても「ルナ」という表記がされており、決められた色に対して使われるというわけではなさそうです。
振り返ると当時の僕は、ネット上でも「ルナ/アイス」はあまり見かけない上、興味のない色だったので、この配色を選ぶことはないように思えました。どちらかと言えば、よく見かける上好みである「タン/エボニー」(茶色)の配色の車両を探していましたが、おそらくHSE dynamicにおいて比率的に多いのはピメント/エボニー」(赤色)と「エボニー/エボニー」(黒)で、「タン/エボニー」(茶色)もあまり多くはない印象でした。
しかし、インテリアカラー以外はほぼ希望通りの車両がネットに掲載され、とりあえず実際に目で見てみようと思いお店に行き、初めて実物の「ルナ/アイス」を見たときに一目ぼれのような衝撃がありました。
今ではタン/エボニー」ではなく「ルナ/アイス」で良かったと心から思っています。
Posted at 2022/02/02 15:19:18 | |
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