乗り降り時に思い出したい!冬の静電気対策

2021年12月3日

静電気 冬

冬になるとクルマの乗り降りの際にドアノブなどに触れた瞬間、「バチッ」と静電気の洗礼を受けることがあります。なぜ冬場になるとあの静電気の洗礼を受けることになるのでしょう? また静電気の痛みから身体を守るにはどうすればいいのでしょう?

静電気はクルマではなく人間に溜まっている

静電気 冬

クルマに乗り込むとき、ドアノブに触った瞬間に静電気が「バチッ」と飛ぶことがあります。あの静電気がクルマに溜まっていると思われていた時代があり、そのころはクルマの後部からチェーンやゴムの細長い板を垂らしたりして静電気を逃がそうとしていました。しかし、静電気が溜まるのはクルマ側ではなく人間側なのです。

クルマは空気を切り裂いて走っていますし、タイヤも回転しているので静電気が発生しています。しかしこの静電気はタイヤを通して地面に流れいくので、クルマには静電気は溜まりません。雷も静電気の一種ですが、クルマに落雷した際も静電気はボディからタイヤを伝わって地面に流れていくため乗車していても危険がないと言われています。

じつは静電気を溜めているのは人間なのです。クルマに乗るときを例にすると、人間がドアノブに触る寸前、もしくは触った瞬間人間からクルマに静電気が流れるのです。真冬の真っ暗な状況で、ゆっくりとドアに指を近づけていくとドアノブと指の間に青白い火花が飛ぶのを見ることができる場合があります。当然、火花が飛べば痛さも感じますが……。セルフ式のガソリンスタンドに行くと、「まずタッチ」と記載された樹脂部分があると思います。あれはドライバーの身体に溜まった静電気を流して、給油ポンプなどに触れた際に火花が飛ばないようにするためなのです。

広い面積で触ると痛さを感じにくい

雷は先のとがった金属などに落雷しやすいという話を聞いたことがあると思います。クルマの「バチッ」も、指先がクルマに近づいていくとそこで一気に放電することがあります。

ですので、クルマにのるときはまず手を開いたパーの状態でルーフに触ります。その後ドアノブに手を掛けるようにすれば静電気が「バチッ」となる可能性が減ります。クルマから降りるときも同様にピラーなどを触りながら降りて、すべて降りきってからドアを触って閉めるようにしましょう。クルマから降りるときはシートと服がこすれているので、そこで静電気が生まれています。

静電気防止スプレーや放電グッズを上手に使う

そもそも静電気がどこで発生してるかといえば、服がこすれたりすることで発生するのです。絹や綿、麻などは静電気が発生しにくいのですが、ナイロンやウール、そして人の皮膚はプラスに帯電、ポリエチレンやアクリルはマイナスに帯電しやすい性質を持っています。プラスに帯電しやすいものとマイナスに帯電しやすいものがこすれると静電気が発生して身体に溜められ、それが一気に放電されるのが「バチッ」です。

静電気は湿気が多いと発生しにくくなるので、雨の日は「バチッ」はありません。洗濯の際に静電気防止効果のある柔軟剤を使用したり、静電気を防止するスプレーなどを利用しても静電気の発生を抑えることができます。

乗車中はシートの乗員との間で静電気を発生しますので、シートに吹きかけても一定の効果はあります。レザーシートはそもそも静電気が発生しにくいのでレザーシートに使わないようにしましょう。最近の静電気防止スプレーには、無香料のものもあるので男性でも使いやすくなっています。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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