ターボってどういう装置? スーパーチャージャーは?

2018年10月26日

エンジン

高性能エンジンや低燃費な小排気量エンジンに使われているターボは過給器と呼ばれる装置です。またスーパーチャージャーも同じように過給器と呼ばれる装置です。このターボや過給器はどういう働きをしているか? 基本のキから解説します。

過給器には排気量を大きくするのと同じ効果がある

レシプロエンジンの場合、ピストンの上下によって空気(混合気、以下省略)を吸い込み、その後圧縮して着火(ディーゼルの場合は自然着火)して燃焼、エネルギーを取り出します。この方式を自然吸気(NA)といいます。自然吸気ではピストンの上下分(つまり排気量分)しか空気を吸い込むことができませんが、過給器を使うと排気量分以上の空気をシリンダーの中に入れられます。その仕組みは、単純明快で、吸気口の前に圧縮機を置いて空気を押し込んでいるのです。

エンジンのシステムのなかでは圧縮機のことを過給器と呼んでいます。この過給器を動かすための力をエンジンの排気から得るものをターボチャージャー、エンジンの出力軸から機械的に取り出して得るものをスーパーチャージャーと呼びます。エンジンの排気を使っていても、一部ではスーパーチャージャーとなるものもありますが、話が煩雑になるのでここでは省略します。

ターボチャージャーはある程度排気が得られないと働きませんから、低回転では過給作用が弱い特性にありますが、スーパーチャージャーは機械的に駆動エネルギーを得ているので設計次第では低回転から過給作用を得ることができます。そこで、低回転用としてスーパーチャージャー、中高回転用としてターボチャージャーを組み合わせたシステムもあります。

2つのターボを使うツインターボ

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ターボのみで低回転から高回転までを担当できるターボシステムもあります。ターボの仕組みは2つの羽根を1つのシャフトで繋いで、片方の羽根(タービン)に排気を当てて回転させ、もう片側の羽根(コンプレッサー)で空気を圧縮します。ターボのサイズが小さいと低回転でも過給が可能ですが、多くの空気を押し込むことはできません。一方、サイズが大きいとある程度の排気が得られないと過給できませんが、回りはじめてしまえば大量の空気を押し込めます。そこで、大小のターボを組み合わせて広い回転数で効果が得られるようにしたものをシーケンシャルツインターボと呼びます。一般的にツインターボという場合は、6気筒エンジンで3気筒ずつ担当するものなどを差します。

過給器にも押し寄せる電動の波とダウンサイジングターボ

過給器の駆動を電動で行うものを電動ターボと呼ぶようになってきます。なぜ、スーパーチャージャーではなくターボと呼ぶかといえば、エンジンが低回転で十分な排ガスエネルギーが得られないときは電動、その後排ガスエネルギーが上昇してきた場合は、ターボと同様に排ガスでタービンを回すという方式があるからです。純粋に電気モーターだけで過給をするなら電動スーパーチャージャーの呼び方がマッチングするでしょう。また、排ガスのエネルギーで発電機を回し電気を得て、その電気で過給するという方式も考えられていて、こうなると過給器のシステムとしてはスーパーチャージャーですが、そのエネルギーの源は排ガスなのでターボと呼んでいいのでは? という議論になります。

ダウンサイジングターボと呼ばれるエンジンは、従来2リットルの自然吸気だったエンジンを1.5リットルのターボに置き換えるといった考え方です。ターボで過給しない状態では燃費がよく、ターボで過給してトルクを得ると、燃費や環境性能を稼ぐ考え方です。日本のようにターボの有無は関係なく、排気量のみで税金が決まる税制では、節税になるというメリットもあります。


(諸星陽一)

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