AT全盛時代だからこそあえてMTに乗る

2019年2月6日

ギヤ

今や日本で売られるクルマの98~99%がAT(2ペダル)車と言われています。これだけAT車が多いのに、普通運転免許のAT割合は6割程度となっています。どうせ免許を取っておくならMTも運転できる免許にしようと思っている人も多いでしょうし、いつかはMTに乗りたいと思っている人もいることでしょう。今回はMTの魅力とMTに乗る意義を考えていきます。

MTに乗ることはクルマの基本を知ること

リーフなどの電気自動車はミッションを使わないことがありますが、エンジン車ならばミッションはクルマにとって必須の構成要素です。ミッションをはじめとした減速機構の役割はエンジンのトルクを増大することにあります。たとえばFR用5速のMTは1~3速までが減速、4速が直結、5速がオーバードライブとなっているものが多くなります。減速というのはミッションの入り口で1回転だったのが、出口では1回転以下になるもの、直結は1回転で入り1回転で出ます、オーバードライブは1回転で入り1回転以上で出てきます。

最初からATに乗ると自動的に変速してしまうので、こうした動きを想像しにくいのですが、MTに乗るとクルマの機構がわかるようになります。MTでクルマを発進させるにはエンジンを始動したのちに、クラッチペダルを踏んでクラッチを切り(現代のクルマはクラッチペダルを踏まないとエンジンが始動しないものがほとんど)、ギヤを1速に入れて、徐々にクラッチペダルを戻すことでクラッチをつなぐことで発進します。

この機構を自動的に行うようにしたものがATです。ATは大きく分けて、MTと同様の基本機構を使って自動的に変速するもの、AT専用の歯車機構を使うもの、プーリーとベルトを使い無段階変速としたCVTの3種が一般的です。ATに乗るときもこの動きを意識して乗ると感覚が違ってきます。

人にはMTがいいという本能がある

ブレーキ

人にはMTがいいという本能がある……と私は思っています。というのも、多くのATにはマニュアル機構が組み込まれているのです。ATでありながらもMTのように手動で使いたいギヤを選べる機構です。

さらには無段階だからこそ意味があるCVTも、わざわざ減速比を分割してMT感覚で使えるものや、ステップ制御といってCVTなのに段付き感覚を与えたものもあります。さらにはMTを2ペダルで使えるようにして、さらにシフトスピードをあげるためにクラッチを2つにして、伝達機構を2系統としているDCTというものも存在します。

速さだけなら2ペダル!?

今やレーシングカーも2ペダルの時代となっています。それは2ペダルのほうが速く走れるからです。ただ、速く走れるのと楽しく走れるのはちょっと違います。それは2ペダルで出来る事は3ペダルでもできるけど、3ペダルではないと出来ない事というものがあります。

公道では関係ありませんが、たとえばジムカーナなどをするときに、クラッチを切ってハンドブレーキを引くことでスピンターンが可能になったり、コーナリング中にシフトアップする際にクラッチを切ったことでクルマをインに向かせることなどもできます。これをやったからタイムアップを図れるとは限りませんが、こういう動きをするということを身体が覚えることは、実は運転を覚えていく上でとても大切なことなのです。


(諸星陽一)

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