【全面的に頼っていいのか?】自動ハイビーム装着車が増加している理由とは?

2019年10月25日

ハイビーム

日々進歩している安全装備の中で、目立たないながらもジワジワと増加。そして話題となっているのが自動ハイビームと言われる装備です。自動ハイビームはその名のとおり、ヘッドライトを自動的にハイビームにする機能ですが、なぜ増加しているのでしょうか? そこには意外な事実と勘違いが存在します。

走行用前照灯とはハイビームのこと

クルマのライト

通常、夜間にクルマを走らせているときはロービームを使っていますが、実はこれが間違いです。ロービームはすれ違い前照灯という名前で、対向車とすれ違うときに使うことが前提となっています。もちろん先行車がいるときも下向きです。ですので、都市部ではまずハイビームを使うことはないということになります。しかし、ちょっと郊外に行ったらハイビームが基本で、対向車や先行車がいるときにロービームにするというのが本来の使い方なのです。

ロービームの照射距離は約40mです。60km/hで走行している場合、約2.5秒で照射範囲の先端まで到達します。100km/hなら約1.4秒で到達します。速度が速くなればなるほどヘッドライトの照射距離は長くなければ安全が確保できません。これを人間が切り替えるのは大変なので、クルマ側のセンサーによって自動的にハイorローを切り替える仕組みが自動ハイビームです。

自動ハイビームをさらに進化させたのがアダプティブハイビーム

自動ハイビームは従来のハイビームとロービームを切り替えるシステムですが、アダプティブハイビームはハイビームの照射範囲を調整する機構です。ヘッドライトを複数のLEDで構成し、照射範囲を調整したりすることで、ほかのクルマに迷惑をかけることなく、少しでも広い範囲を照射できるようにしています。アウディの同機能を使った経験だと、実に上手に調整している感じを受けました。また、マツダのシステムは通常のハイビームのほうが、先行車や対向車が皆無のときのアダプティブハイビーム使用時よりも遠くを照射していることを確認できました。

自動ハイビームはまぶしくないのか

対クルマならば基本的にはセンサーがきちんと働いてハイorローをコントロールするので、まぶしいことはないと言えますが、自転車や人に関してはセンサーが働かないので、自転車や人はまぶしさを感じることになります。ですので、歩行者や自転車がいる場所では、ドライバーがマニュアルで切り替えることが大切となります。

また、事故などで光軸がズレている場合は、ハイビームになった際により高い方向を向く可能性があるので、注意が必要です。また切り替え精度に問題のある車種も見受けられるので、そうした場合はオートモードに頼ることなくマニュアルで切り替えたほうがいいでしょう。

光軸ズレはライトの取り付け角度だけで起きるわけではありません。ライトが正しく取り付けられていても、リヤのショックアブソーバーが劣化している場合にトランクやラゲッジルームにたくさん荷物を積んだりするとライトが上を向いてしまうことがあります。ライトが上を向いているときは、単純にライト回りだけでなく、そうした部分にも注意を払うことが大切です。


(諸星陽一)

関連するユーザー投稿

乗るに戻る

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

注目タグ

ニュース