危険すぎる!高速道路で逆走する車が急増する理由とは?

2019年12月3日

事故現場

高速道路を走っていると流入路の手前の路面に、大きな矢印が書いてあることに気づいた人も多いのではないでしょうか。あの矢印は高速道路に流入して逆走してしまったドライバーに知らせるためにペイントされました。こうしたペイントをはじめとして、最近はさまざまな手法で高速道路の逆走防止が行われています。それは、逆走事案が多いことの証明でもあるのです。

6割はインターチェンジかジャンクションで発生

高速道路

国土交通省が発表しているデータによれば、逆走事案の約6割はインターチェンジかジャンクションで起きているとなっています。つまり、高速道路に入ったときなどに逆走がスタートしており、出口から入ってしまって逆走になるのです。

逆走開始時の認識を見ると、故意や過失で逆走してしまった人が約7割、逆走を最後まで認識しなかった人が2.5割ほどいます。故意や過失で逆走してしまった人の中で特に何の背景もなく逆走をしてしまっている人が多いことには驚きです。またその次に多い理由は「道を間違えた」というものです。

高齢者の逆走は多いのか?

絶対値でのデータを見ると、逆走事故を起こしている件数が多いのは75歳~79歳となっています。これを免許人口当たりの割合で見ると75歳以上から急激に増え、85歳以上がピークとなります。認知症の疑いがある人もある程度いて、年齢や認知症が一定の割合で逆走の原因となっていることは明らかです。逆走事案が大きな問題となるのは、当事者だけでなく巻き込まれた人が大きな被害を受けるところにあります。

逆走防止に向けての技術

逆走防止に向けて、さまざまな方向からのアプローチが行われています。最初に紹介したペイントもそうですが、実は高速道路のサービスエリアやパーキングエリアの駐車スペースにもちょっとした工夫があります。以前は場内の通路に対して、直角に駐車スペースが設けられていましたが、現在は斜めに駐車するようにしてあり、発進すると自然と出口に向かうようになっています。

ナビゲーションを使って逆走防止をしようという試みもスタートしています。ナビゲーションがクルマの動きを監視して、逆走方向に走り出すと警告するというものです。ビルトインタイプのカーナビだけではなく、ポータブルカーナビにもこの機能が追加され始めているので、今度はますます広まっていくことでしょう。

また、故意に逆走してしまう人を助けるための制度もあります。それが「特別転回」と言われる制度です。高速道路で目的の出口を行き過ぎてしまった場合は、次の出口の有人ゲートに行って理由を説明すると「特別転回」といって、行き過ぎた分と戻る分の料金は支払わずに走行できるようなっています。ですので、万が一行き過ぎてしまっても、慌てて逆走する必要はなく、落ち着いて次の出口に向かえばいいのです。


(諸星陽一)

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