【運転テクニック】エンジンブレーキの効果的な使い方とは?

2019年12月27日

運転中

山道などの下り坂ではフットブレーキの過熱を防ぐためにエンジンブレーキを併用することが推奨されています。エンジンブレーキはMT車で使うためのもので、AT車では使わないものと思っている人、そしてAT車はエンジンブレーキが使えないと思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、それは間違いでAT車でもエンジンブレーキが使えますし、上手に使う必要があります。今回はAT車のエンジンブレーキについてのお話です。

そもそもエンジンブレーキとはどんなものか

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エンジンブレーキはエンジンを抵抗として使い、速度を落とすテクニックです。装置として存在しているわけではなくあくまでもテクニックです。走行中にアクセルから足を離すとだんだんに速度が落ちます。これがエンジンブレーキです。下り坂ではアクセルから足を離しても速度がなかなか落ちないことがあります。そうしたときはATのポジションをDではなくマニュアルにしてギヤ段を落と(シフトダウン)したり、Bポジションを選ぶなどしてエンジンブレーキの効きをよくします。

クルマは燃費をよくするために、できるだけ上段のギヤで走ろうとします。ですから下り坂ではギヤがどんどんアップしてしまい、速度が上がっていく傾向になるのです。そこでポジションを変更してエンジンブレーキの効きをよくします。

エンジンブレーキを使わないとどうなるか

長い下り坂でエンジンブレーキを使わずにフットブレーキのみに頼ると、フットブレーキが過熱してしまいます。フットブレーキはクルマの運動エネルギーを熱エネルギーに変換して大気に捨てる装置なので、過熱してそれ以上エネルギーを捨てられなくなると、速度を落とすことができなってしまいます。つまり、止まらないという状況です。こうなったら、下り坂に設けられている緊急退避所に突入して止めるしかなくなります。

高速道路でシフトダウンはよくない

高速道路で速度を調整するときは極力ブレーキを踏まないで、シフトダウンをしてブレーキランプが点灯しないようにしているという話をよく聞きます。ブレーキを使うと後続のクルマに迷惑を掛けるから、というのが大きな理由のようですが、それはちょっと間違いがあります。

一番危険なのは減速しているのに、それが後続車に伝わらないことです。アクセルペダルを離す程度のほんの少し減速するだけなら、高速道路でも使って問題ありませんが、なにがなんでもブレーキペダルは踏まないという感じで、シフトダウンをしまくる人がいますが、それでは後続車に追突して下さいと言っているようなものです。

さらに、エンジンやミッションへの負担も大きくなります。エンジンやミッションが壊れるよりもブレーキパッドやブレーキローターが減ったほうがずっとメンテナンスフィーも安いので、きちんとブレーキを使ったほうが経済的にも優れています。


(諸星陽一)

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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