2019年東京オートサロンの入場者が過去最高という中で、若者は本当に車離れしているのでしょうか?

2019年12月16日

0915

若者のクルマ離れという言葉が目立ち始めたのは21世紀に入った頃でした。しかし、その言葉は正しいものなのでしょうか? 確かに都市部では公共交通が発達しているのでクルマは必要ないかも知れません。しかしちょっと地方に行けばクルマは生活にもレジャーにも必須のアイテムです。そして若者とは何歳くらいまでのことを指すのでしょう? 若者のクルマ離れは本当なのか検証します。

モーターショーの入場者は減少だが

091402

若者のクルマ離れという言葉が目立ち始めたのは2000年代に入ってからですが、2005年の東京モーターショー(17日間)の入場者数は151万人を超えています。その後、徐々に減少傾向となり、2011年(10日間)は84万人、2013年(10日間)は90万人、2015年(11日間)は81万人、2017年(10日間)は77万人と確かに入場者数は減っています。

一方、東京オートサロンは1開催3日間ながら、2017年は32万4000人、2018年は31万9000人、2019年は過去最高となる33万人の入場者数を記録しました。東京モーターショーと東京オートサロンでは、客層は明らかに東京オートサロンのほうが若いのですから、若者のクルマ離れという現象には疑問が残ります。

人は誰かが発した言葉に引っ張られる

「取り付け騒ぎ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 銀行などが「倒産するかも」という噂が流れて、預金がどんどん引き出されてしまい、それが原因で倒産してしまうことです。実際は倒産の恐れなどなく、経営は順調であっても、噂や風評だけで倒産までいってしまうこともあります。「若者のクルマ離れ」もその言葉が一人歩きしてしまい、「そうか、今はクルマじゃないのか」と思い込んでしまったという面も見受けられます。

クルマの使い方は変わるかもしれないが

従来、クルマは購入して使うものでしたが、現在はさまざまな形でのクルマの使い方が登場しています。昔は自分でクルマを所有していない場合は、レンタカーを使うしかありませんでしたが、今はカーシェアやリース、サブスクリプションなどいろいろな方法があります。

年齢が若いと任意保険の掛け金が高くなるなどの理由から、若いうちはクルマを所有することなく、ある程度の年齢になってから所有に切り替えるという形も出てくるでしょう。

選択肢がたくさんあるので、クルマの使い方は多様性を帯びては来るでしょう。しかし、クルマで出掛けることの楽しさは時代が進んでも変わりません。パーソナルモビリティはいつの時代になっても魅力的なものであって、その光は失せることはないと私は思っています。


(諸星陽一)

乗るに戻る

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

カーライフ 記事カテゴリ

注目タグ

最近見た車

最近見たクルマはありません。

ニュース