混ぜたり水を使うのは?冷却水(クーラント液)の特徴や役割を解説!

2021年9月8日

冷却水(クーラント液)の役割とは?

クルマにはさまざまな液体が使用されています。なかでも暑い時期に大切なのが冷却水のメンテナンスです。エンジンルームの比較的目立つ位置に設置されているリザーバータンクに入った冷却水はどんな役目をしているのか?適切な液量とはどのような状態か?エンジンオイルのように交換しなくていいのか?等々、今回は冷却水にまつわる疑問を解決します。

この記事のPOINT
冷却水は自動車のオーバーヒートを防ぐために使われる
水は不純物による金属の腐食が発生するので使用しない
現代において夏と冬で冷却水を使い分けることはほぼない
緊急時のみ水で凌ぎ、その後整備士に相談するとよい

ほとんどのクルマの冷却水でエンジンを冷やしている

エンジンは燃料を燃やしてエネルギーを得ていますが、発生したエネルギーのすべてが動力として使えるわけではありません。動力エネルギーとして取り出せるのは30~40%程度といわれ、そのほかに発生したエネルギーは捨てるしかありません。この無駄になっているエネルギーの中には、音、光、熱などがあるのですが、やっかいなのは熱です。熱を捨てずにいると、エンジンがどんどん過熱して、やがてはエンジンが壊れます。内燃機関なので原発のように溶けてしまうことはまずありませんが、プラグが溶けることはあるし、エンジンブロックやシリンダーヘッドが熱で歪むこともあります。これがオーバーヒートです。

このオーバーヒートを防ぐためにエンジンはつねに冷やさなくてはなりません。現在のほとんどのクルマは冷却水を使う水冷式です。水冷式エンジンのいいところは、冷却水の熱でヒーターを作動できること。エンジン車が捨てている熱を暖房に使えるので、冬場も車内を暖かく保てます。電気自動車の場合も冷却水でモーターやインバーター、バッテリーを冷やすことがありますが、熱量としては少なく、ヒーターに使えるほどではありません。そこで電気自動車でヒーターを使うときは走行用バッテリーの電力でヒーターを作動させるため、ヒーターを使うと電費がダウンするのです。

冷却水にはLLC/スーパーLLCが使われる

昔のクルマの冷却水は普通の水(井戸水や水道水)を使っていました。しかし水は0℃になると凍ってしまい体積が増加、最悪の場合はラジエター内部やエンジンブロックに亀裂が生じます。また、水にはさまざまな不純物が含まれていて、金属を腐食させます。

かつて冷却水は、夏場は水、冬場は不凍液という使い分けをしていましたが、現在は年間を通して使えるLLC(ロング・ライフ・クーラント)、もしくはスーパーLLCが使われます。どちらもマイナス40℃程度まで凍らず、防錆剤も配合され、年間を通して使うことができます。LLCとスーパーLLCの最大の違いは交換時期です。LLCの場合は車検ごと、スーパーLLCの場合は新車から7年もしくは16万km程度、その後は4年もしくは8万kmが交換時期といわれています。LLCやスーパーLLCの交換はディーラーや整備工場に任せましょう。作業時にエア抜きをしっかり行わないとオーバーヒートの原因になることもあるし、使用済みのLLCやスーパーLLCは毒性があるため、下水に流すことなどは禁じられていて、特殊な廃棄処分が必要です。

LLCが2色、スーパーLLCが2色、計4色がある

LLCやスーパーLLCは着色されています。LLCの場合は緑もしくは赤、スーパーLLCの場合は青もしくはピンクです。いずれの色も混ぜて使ってはいけません。LLC同士(緑と赤)、スーパーLLC同士(青とピンク)は混ぜても機能的には問題ないといわれていますが、混ぜると濁ってしまい、オイル漏れなどのほかの不具合を見つけることが難しくなります。

LLCやスーパーLLCの点検は、通常はエンジンルーム内にあるリザーバータンクで行います。ラジエター上部にあるラジエターキャップには触らないで下さい(適切に開けないと火傷の危険などがあるため)。ここの開閉はメカニックにまかせましょう。リザーバータンクのLLCやスーパーLLCの水位がH(HIGH)とL(LOW)の間にあれば問題はありませんが、減っていると気になるものです。LLCやスーパーLLCが減った際は同じ色の「補充液」を足すのが楽でしょう。もちろん希釈用のLLCやスーパーLLCを使ってもいいのですが、スーパーLLCの希釈には純水を使うことが推奨されているので、いろいろと面倒なのです。

LLCやスーパーLLCがゆっくりと減るときは大きな問題はありません。徐々に蒸発しますし、温度が上がりすぎた時はリザーバータンクからオーバーフローしてこぼれることもあります。減って来てもLレベルより上ならば、カー用品店などでLLCやスーパーLLCを購入して継ぎ足せばいいでしょう。出先で継ぎ足し用が入手不可能な場合で、Lレベルより下がっていたら水を足しましょう。スーパーLLCの場合は純水がすすめられていますが、純水が手に入らなければ水道水でもしのげます。また、コンビニやドラッグストアでコンタクトレンズ用の精製水が手に入ればそれを入れましょう。その後、ディーラーや整備工場に持ち込んで相談すれば大丈夫です。急激に減るときはどこからか漏れている可能性があるので点検整備してもらいましょう。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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