冬のトラブル回避!冬にやるべき車のメンテナンスとは

2022年1月11日

冬ドライブ トラブル

クルマにとって夏同様に厳しい季節となるのが冬です。現代のクルマはかなり強くなって、冬でも問題なく乗ることができますが、ちょっとした見過ごしで思いもしないトラブルに巻き込まれることがあります。冬前に行っておきたいメンテナンスや用品の用意などを紹介します。

まずは水回りのチェックから

ウォッシャー液
 

冬の時期、クルマにとって厳しくなるのが水まわりです。ウォッシャー液は、濃度が薄いと噴射してガラスに付着した瞬間に凍りつきます。冬の朝などはガラスが冷え切っているため、噴射したときは液状でもガラスに付着したとたんに一面に氷の被膜を作ってしまうことがあるのです。

これを防止するには濃いめのウォッシャー液を使います。ウォッシャー液のラベルには、何倍に薄めると何℃まで凍らないという表示がされています。自分の住んでいる地域の気温に合わせて希釈、もしくは原液のまま使用します。

 

新車でクルマを購入してきちんと定期点検を受けているクルマはまず問題がありませんが、個人売買で中古車を買った場合などはLLC(冷却水)の濃度が薄くなっていることがあります。

LLCはエンジン内部に張り巡らされた水路を通ってるので、内部で凍りついて膨張すると最悪の場合はエンジンを破損します。今どきは水を入れていることはまずないでしょうが、不安な場合は交換してしまうといいでしょう。LLCは毒性があるため、廃液を適正に処分する必要なので交換は業者に依頼することをおすすめします。

冬はバッテリーに厳しい季節

バッテリー
 

バッテリーは化学反応によって電気を生み出していますので、気温が下がると効率がダウンしてきます。購入したばかりのバッテリーであれば、ある程度気温が低くてもバッテリーは元気に電気を発生しますが、弱ってきたバッテリーは気温の低下とともに電気を取り出しにくくなります。

バッテリーの点検の第一はバッテリー液が適正な量入っているか? を確認することです。バッテリーの裏側からスマホの懐中電灯機能を使って光を当てて内部を透過させ、クルマをちょっと揺らすと液面がよくわかります。バッテリー液が減っている場合は、補充液と言われる精製水で液量を調整します。

バッテリー液の組成を変えてしまう強化液などは使わないほうがいいでしょう。可能であれば、バッテリーに直接充電する補充電を行うことをおすすめします。バッテリー充電器は、ジャンプスタート機能が付属しているものを選ぶと、バッテリーが上がっている場合にもエンジン始動が可能となるので便利です。

雪に対する用意も忘れずに

スタッドレスタイヤ 冬タイヤ
 

降雪の可能性がある地域では、雪が降ることも想定しておかなければなりません。理想はスタッドレスタイヤを履くことです。

スタッドレスタイヤは雪道や凍結路で滑りにくいという性能を持っていますが、じつはそれだけではありません。サマータイヤは温度が低くなるとグリップがダウンします。その目安は気温が約7℃と言われています。スタッドレスタイヤは低温でもグリップが落ちない特性なので、7℃を切ったらたとえ雪が降らなくてもスタッドレスタイヤを履くことで安全性が向上します。

スタッドレスタイヤを買う予算はないものの、雪が降ったときもクルマを動かす可能性がある……という人は最低でもチェーンを用意する必要があるでしょう。東京23区内などはよほどの大雪や深夜でもない限り、幹線道路に出てしまえばチェーンは不要なことが多く脱着が楽なものがおすすめです。

オートソック」という布製チェーンは装着も楽な上、新雪やシャーベット路でもなかなかのグリップを発揮します。

また、カーメイトの「バイアスロン・クイックイージー」は装着が楽でアイスバーンでも高いグリップを誇る非金属チェーンとして定評があります。

雪が降っている状態でワイパーを使うと、ワイパーの金属部分に雪がたまってワイパーがガラスに密着しなくなります。雪が解けて金属部分をガッチリと凍らせてしまうとなおさらワイパーの効きは悪くなります。こうした状態にならないためにスノーワイパーというものがあります。

 

スノーワイパーは金属部分をゴムでカバーすることで凍結を防ぎ、動きを確保したものです。ゴムそのものも低温で固くならないタイプが採用され、拭き取り性能を確保しています。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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