クルマから聞こえる嫌な音放っておいて大丈夫? 気になる音の原因と対策

2022年2月18日

クルマ 異音 修理

クルマを走らせていると、普段は聞いたことがない音が聞こえてくることがあります。今まで聞いたことがない音が聞こえてくると、もしかしたら故障ではないか? と思うこともあるでしょう。クルマから聞こえてくるさまざまな音の正体とその対処方法を探っていきます。

いつ、音が出るかで、発生源を特定する

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クルマの異音がどこから出ているか? は意外とわかりにくいものです。発生源を特定するには、いつ音が出て、どのように変化していくか? が手がかりになります。

たとえば、「トントントン」というようなリズムを刻んでいる異音があったとしましょう。そのテンポが速度を上げるに従って早くなる場合は、タイヤから出ている可能性が高くなります。

一方、停車中にエンジン回転を上げてテンポが早くなるなら、エンジンまわりからの異音ということになります。

タイヤから出る異音の原因はじつはたわいもないことのことが多くあります。たとえば、溝に石が挟まっているだけでも「トントントン」というような音が出ることがあります。

びっくりするくらいに大きな音となるのが、タイヤにガムテープなどが貼り付いたときです。ガムテープのような面積の広いものが貼り付くと、「バタバタ」と大きな音を立てます。タイヤから音がでていると感じたときは、クルマを停車させてタイヤをチェックしましょう。

石やガムテープならば問題はありませんが、釘やネジなどが刺さっている場合はパンクの原因になるので注意が必要です。

釘などが刺さっている場合は、その周囲に石けん水をつけてみて空気が漏れているかを確認。漏れているようなら抜かずにそのまま(可能なら空気を足して)タイヤショップに、漏れていないならば釘などを抜き、ふたたび石けん水で空気漏れをチェックしましょう。

もちろんタイヤが変形するほど空気が抜けている場合は、スペアタイヤに交換、もくしは空気を足してタイヤショップへ行きましょう。

どちらも不可能な場合は、タイヤショップに出張修理してもらうのが得策です。車載しているパンク修理剤を使うと、恒久的なパンク修理ができなくなるのでできる限り避けましょう。

エンジンまわりからの連続音&甲高い異音

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エンジンまわりから出る連続音は不安感が多いものかも知れません。エンジンルームからはさまざまな音が出ていて、今まで気づかなかった音が気になることがあります。

現代のクルマは高圧の燃料噴射装置を採用していることも多く、その燃料噴射装置のインジェクターから発生する音などもかなり大きなもので、ボンネットを開けると「カタカタという連続音が聞こえることがあります。

エンジンルームのどこから出ているのか? を探るのはなかなか難しい作業ですし、作動中のエンジンルームの中での確認作業となるので、なれていない人は避けたほうがいいでしょう。

音が正常なものかどうか? は同種のクルマ(できるだけ新しいもの)と比較してみることでしょう。

エンジンルームから出る音で、明らかな異音の代表的なものはベルト類の滑りです。ベルトが滑ると「キューーー」という甲高い音が発生します。多くはアイドリング時は発生せず、エンジン回転を上げると異音が発生します。

この音が出たときは、エアコンをオフにしてアクセルを踏んでみます。エアコンがオフでも音が出ればエアコン以外の場所が原因のことが多く、エアコンをオンにして音が出ればエアコンのベルトが原因であることが多くあります。

ただし、エアコンをオンにして全体の負荷が増えるとエアコン以外の部位のベルト滑りが起きることもあります。

ブレーキを踏んだ際に発生する「キー」という音

ブレーキペダルを踏んだ瞬間に「キー」という高い金属音が鳴ることがあります。これは故障ではなく、ブレーキパッドが消耗したことを知らせるための音です。

ブレーキパッドにはパッドが限界厚さになると、パッドの近くに設置された金属板がブレーキディスクに当たって大きな音を発生するようになっているものが多くあります。

この際の音はブレーキペダルを触るかのように軽く踏んだときは「キュ、キュ、キュ」といった感じの音、そこから少し踏み込むと「キー」、さらに踏み込むと「ギャー」というような音になることが多くみられます。

最初の「キュ、キュ、キュ」はブレーキディスクが均一には減らず、少し凹凸があるから起きることで踏み込みが強いと音が変わるのは金属板がブレーキディスクに押しつけられるからです。

この音が出たからといって、すぐにブレーキが効かなくなるわけではありませんが、かなり大きく不快な音なので早めにブレーキパッド交換を行うことをおすすめします。

アクセルペダルのオン、オフのタイミングで「ガタ」とか「ゴト」というような音が発生するときは、エンジンやミッションのマウント類のヘタリが考えられます。

マウントはゴムを使っているので、ゴムが痩せてきてすき間ができるなどすると、そのすき間分が動いて「ガタ」、「ゴト」と音を出します。これが段差を乗り越えたときに起きる場合は、エンジンマウント、ミッションマウントに加えてサスペンションまわりのマウントも疑います。

段差乗り換えで異音が発生する際も、エンジンマウントやミッションマウントを発生源の候補から完全に外さないほうがいいでしょう。突き上げるような異音やショックであればマウント交換も視野に入ります。

人間には五感と呼ばれる5つの感覚があります。運転にもっとも大切なのは視覚で、運転は目から入ってきた多くの情報を元に行っています。

しかし残りの4つ感覚のうちで運転に関係のないのは味覚だけです。ステアリングの反発力でタイヤのグリップを感じるのは触覚ですし、ブレーキパッドやクラッチが焼けときの匂いからも異常が感じられます。そして、異音を感じるのは聴覚です。

せっかく与えられた感覚なので、視覚だけに頼らない運転を行うことでより正確な運転が可能なほか、トラブル予防などにもつながります。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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