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実は効果なし!?街乗りでやっても意味のないドラテク6選
2021年9月10日
クルマ好きドライバーはとかくテクニックに凝りがち。チャンスがあればそのテクニックを同乗者や周りにも見せつけたくなるものですが、じつは何の役にも立っていないこともたくさんあります。それだけならいいのですが、周囲の交通などに悪影響を与えることも少なくありません。今回は街乗りでなにげなく使っているテクニックを見直して、正しく使えているかチェックしましょう。
- この記事のPOINT
- ポンピングブレーキは後続車への合図なら有効
- ソーイングや内掛けハンドルはまったく意味がない
- ATのマニュアルモードのシフトダウンは車にも後続車にもよくない
その1~3:ブレーキに関する3つの間違い
クルマを運転するうえでもっとも難しいと言われるのがブレーキングテクニックです。スムーズに、そして無駄なくブレーキが踏めることこそが華麗なるドライビングの基本なのですが、ブレーキの扱いを間違っている人はけっこう多いものです。
<1:ポンピングブレーキとABS>
自動車教習所では「ポンピングブレーキ」というものを習ったと思います。これはブレーキペダルを断続的に踏むことで、ブレーキをかけながらハンドル操作を有効にするという効果と、ブレーキランプを点滅させて後続車にブレーキを踏んでいることを知らせる2つの効果がある……と教わったと思います。
このうち前者は、ABSが装備されている現代のクルマなら不要です。後者の、後続車にブレーキを踏んでいることを知らせる「ポンピングブレーキ」はシーンによっては有効です。たとえば高速道路の渋滞後尾に接近したときなどは、ポンピングブレーキを使うとともにハザードランプを使用すればより一層後続車に危険を知らせることができるでしょう。合図のためのポンピングブレーキはしっかり点滅させることが大切なので、ブレーキペダルから足を離す、踏むのメリハリをつけて、アクセルを緩めれば十分に減速できる距離において、0.5秒間隔程度で行う感じです。アクセルを緩めるだけで減速が間に合わない場合は、ポンピングブレーキよりも減速することを重要視しましょう。
<2:急ブレーキ>
「ポンピングブレーキ」を使うということと関連しているのですが、「急ブレーキ」は危険で避けるべきものと思い込んでいるドライバーもいるようです。とくに雪道での急ブレーキは、昔は厳禁とまで言われたものです。しかし、前方に障害物があれば急ブレーキを踏まなければなりません。昔のクルマはABSが装備されていなかったので、急ブレーキを踏むとタイヤがロックし、コントロール不能になることもあり、急ブレーキは危険とされていたのですが、ABSを装備する現代のクルマは急ブレーキを使っても問題ありません。急ブレーキはペダルをジワッと踏み込むのではなく、躊躇なくガツンと踏み込みます。そうすることで油圧が素早く立ち上がり、ブレーキがより速く効き始め、空走距離を減らすことができます。
強いブレーキを踏むときはカカトがフロアから離れてないと踏めませんが、普段の操作ではカカトはフロアに接していたほうが微妙なブレーキ操作が可能です。教習所ではブレーキペダルはフロアからカカトを離して操作するように教わりますが、普段のブレーキペダル操作はカカトをつけて行うことが大切です。そして、いざというときには意識してカカトを離した「急ブレーキ」を踏むようにしましょう。
<3:コーナー手前のブレーキ>
また、コーナーへのアプローチはブレーキを踏んだ状態でフロントタイヤに荷重を乗せた状態でステアリングを切るといい……という話を聞いたことがあるかも知れません。そして、これをあらゆる状況で行っている人がいます。このテクニックはサーキットやワインディングロードなどにおいていくつかの条件が揃ったときに有効な方法で、街中で使うのは的確ではありません。街中では4つのタイヤを平均的にグリップさせることが大切です。
その4~5:ステアリング操作に関する2つの間違い
<4:ハンドルのソーイング>
フロントタイヤのグリップを探りながらステアリングを切ったり戻したりしながら走る方法を「ソーイング」と言います。100分の1秒を競うモータースポーツでは有効なこともある手段ですが、街乗りではまったく必要がありません。たとえば車体のロールを例に取るとソーイングを行うとロールしたり、戻ったりという状態を繰り返します。乗員は揺られっぱなしになるわけですから不快極まりありません。一般公道ではゆっくりとロールが始まり、ゆっくりとロールが収束するようなコーナリングこそが理想なのです。
<5:内掛けハンドル>
かつてクルマにパワーステアリングが付いていない時代、重いステアリングを少しでも軽くしようとした操作方法が「内掛けハンドル」です。内掛けハンドルは体重を掛けやすいため、重いステアリングに対しては有効でしたが、パワーステアリングが装着されている現代では有効性はありません。内掛けハンドルは逆方向には操舵できないので、ステアリングを戻して回避することができません。さらに、現代のクルマはエアバッグが装備されていて、衝突を検知すると最大300km/hの速度で展開します。内掛けハンドルのポジションでエアバッグが展開すると、腕を骨折したり、最悪は腕がちぎれてしまう可能性もあります。
その6:シフトダウンで減速は間違い!ブレーキで減速しよう
<6:街中でブレーキ代わりにシフトダウン>
街中を走行中にATのマニュアルモードでシフトダウンして速度を落とす乗り人も見かけます。なぜそのようなことをするのか?質問したところ「ブレーキで減速するとブレーキランプが点灯して後続車がイライラし煽られるかも知れない」という答えが返ってきたことがあります。しかし、ブレーキランプも点かずに速度を落とすのは危険ですし、後続車をかえってイライラさせる原因になる可能性もあります。
速度を下げるのはブレーキの役割であって、シフトダウンによる減速は間違いです。ATのマニュアルモードは、坂道を登るときなどにギヤが2速-3速の変速を繰り替えす、といったようなときにどちらかのギアを選ぶことで頻繁な変速を防止したりするためのものです。もちろん、下り坂で低めのギヤを選択しておいて、つねにエンジンブレーキが強めに効くようにすることにも使えます。また、ワインディングを走るときなどに、MTのような感覚を楽しむこともできるでしょう。しかし、街中で速度を下げるためにシフトダウンを使うのはATに負担を掛けます。これはMTでも同じなのですが、常に速度に合ったエンジン回転数を保てるギヤを選択するのが正しい方法です。ATの場合は何も難しいことではなく、ATをATモードのままで使っていれば適正なギヤ比を選んでくれます。
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