今更聞けないカーシェアリングとは?仕組みについて解説

2021年9月17日

カーシェアリングの基本を学ぼう

クルマは買わずにシェアする時代……などという言葉が聞かれるようになって来ました。いわゆるカーシェアリングと言われる方式ですが、これはどんなものなのでしょう? 知っているようでよくわからないカーシェアリングの世界を紹介します。

この記事のPOINT
国内のカーシェアリングは会員制レンタカーのような仕組みになっている
カーシェアリングでは基本的に乗り捨てが出来ない

日本のカーシェアは会員制レンタカーのようなもの

カーシェアリングの根本的な考え方は、1台のクルマを複数人で所有することにあります。1台のクルマを2人で持てば、税金や保険、駐車場代などの固定費が半分になります。3人でも持てば3分の1です。ただ、個人同士の約束でこうしたことを行うのが難しいため、企業や団体が管理を行うことになりました。

日本型のカーシェアリングはこうした共同体的なものとは異なり、会員制レンタカーシステムと言えるような形態となっています。まずは一般的なレンタカーとの違いを説明していきましょう。

利用するには会員登録が基本

カーシェアリングにはさまざまなタイプがあり、なかにはマンション住人専用といった限られた人しか利用できないものもあります。今回紹介するのは、そうしたものを除いた一般的なものです。これから説明するのは一般的な個人向けのもので、例外もあります。

カーシェアリングを利用するには、基本的に会員にならないとなりません。会員となるには、運転免許証、自分名義のクレジットカード、携帯電話番号、メールアドレス、スマートフォンなどが必要となります。会員登録申請を行い、審査を通り入会するとカードが送られてきて、利用可能な状態となります。入会に必要な費用は、カード発行手数料、入会金などですが、この費用は運営会社によって異なります。無料から高くても2000円程度で、有料の場合もキャンペーンで減額、もしくは無料になることもあります。

カーシェアリングは会員制なので月額の会費が掛かります。この会費も無料から1000円程度とさまざまです。月会費は使用料金に充当することができるものもあります。つまり、月会費が1000円の場合、1000円以下であれば使用料金の支払いはなく、1100円ならば差額の100円を支払うということで、ミニマムチャージ的な意味合いを持ちます。

利用料金(時間料金)は15分単位で計算されるのが一般的で、なかには10分や数時間という単位を用いている場合もあります。さらに距離料金が加算される場合もあります。この場合は時間料金+距離料金となります。200円/15分、20円/1kmのカーシェアを30分利用し10km走行した場合は、200×2+20×10=600で600円の利用料金となります。レンタカーが数時間単位なのに対して、短時間利用ができる点が大きな違いでしょう。

距離料金を加算するのは利用料金に燃料代が含まれているからです(距離料金を設定しないカーシェアリングもある)。レンタカーは燃料満タン返却が基本ですが、カーシェアリングはユーザーが燃料代を直接負担することはなく、燃料代は利用料金に含まれています。給油も基本的に利用者が行うことになります。カーシェアリングのクルマには専用のカードが搭載されていて、給油や洗車にはこのカードを使うようになっています。利用者が給油や洗車を行う=手伝うと、次回に使える割引などのポイントが付与される仕組みで、言ってみれば使用後にちょっとしたアルバイトができるようなものです。

ネットで予約したら直接クルマのある場所に行く

カーシェアリングのクルマを利用するには、インターネット経由で予約をして、コインパーキングやオフィスビルの駐車場、月極駐車場などクルマがある場所に直接ユーザーが出向きます。レンタカーのように営業所に出向く必要はありません。カーシェアリングは都市部を中心に展開されていますが、都市部に限定すればレンタカーの営業所の数とカーシェアリングステーションの数はくらべものになりません。クルマに取り付けられているカードリーダーに会員カード、スマホ、交通系ICカードなど(運営会社や自身の設定により異なる)をかざすと、ドアロックが解錠されます。クルマに乗り込み、グローブボックス内のキーを操作するなどで、使用できる状態となります。

使用中は禁煙が基本で電子タバコも許されてないと考えていいでしょう。また、使用後のゴミはもちろん持ち帰り、ペットの乗車や、臭いが残りやすい灯油の運搬なども禁止されています。使用後は借り出したステーションに返却します。これがレンタカーとの大きな違いで、いわゆる乗り捨てはできません。

カーシェアリングは予約した時間よりも若干早めに使用開始できるようになっています。これはクルマを点検するための時間が設けられているためです。レンタカーのように使用後に必ずスタッフが確認するわけでないので、利用者がキズなどの確認を行います。また、タイヤの空気圧程度も目視で確認するべきでしょう。もしもキズや不具合がある際は、その場で運営会社に連絡します。タバコ臭なども同様です。連絡を怠って、次の利用者が連絡した場合は自分が疑われることになります。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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