クルマの積載力を爆発的に増大させるルーフキャリアを使いこなせ! 道交法や注意点を解説

2021年10月27日

ルーフボックス

コロナウィルスのまん延に伴ってキャンプをはじめとしたアウトドアレジャーが大人気。クルマにたくさんの道具を積んで出かける人が増えています。しかし、クルマのラゲッジルームには限界があり、だんだん増える荷物を積んで出かけるのが難しくなります。そこで利用したいのがルーフキャリアです。ルーフキャリアを使うことで、荷物搭載能力は爆発的にアップ、アウトドアライフの幅がグッと広がります。

ルーフキャリアのサイズは道交法で全幅内と決められている

クルマのルーフに荷物を積むこと自体は違反にはなりませんが、荷物のサイズには制限があります。まず幅ははみ出すことが禁止されているのでとくに注意が必要。ルーフキャリア、荷物ともにクルマの全幅を超えてはいけないことになっています。車体からはみ出してはいけないのではなく、全幅を超えてはいけないというルールです。ジープラングラーのようにフェンダーが大きく張り出しているクルマだと、ルーフからルーフレールがはみ出してもフェンダーを含む全幅内に収まればいいことになります。

前後方向は全長の10%までははみ出していいことになっています。全長が4.5mのクルマなら4.95mまでの荷物を積むことができます。

高さについてはボディサイズに関係なく荷物を積んだ状態で全高が3.8m以下であることが求められます。

ルーフキャリアを取り付けるにはまずベースキャリアと呼ばれるものを取り付ける必要があります。ベースキャリアはルーフキャリアの土台となる部分で、ルーフがどのような構造になっているかで構成パーツが異なります。20~30年くらい前のワゴンブームの時代は、ルーフレールが付いたモデルがたくさんありました。ルーフレールが付いている場合はその部分にベースキャリアを固定すればいいですが、それ以外のルーフでもベースキャリアの装着は可能です。

●ダイレクトルーフレール
最近のSUV系で主流となってきているのがダイレクトルーフレールやビルトインルーフレールなどと呼ばれるもので、ルーフの縦方向(進行方向)に、ルーフレールほど盛り上がらず(もしくは少しだけ盛り上がるように)に配置されているものです。

●ルーフオン
ルーフ左右の端に取り付けポイントがあり、細長いカバーをはずすとベースキャリアをロックするための金具が現れるタイプ。ルーフオンタイプのクルマはルーフレール、ダイレクトルーフレール、ルーフオンの場合は純正のルーフレールがアクセサリー設定されていることも多く見られます。

●雨どいのあるクルマ
商用バンなどに見られるルーフの端にパネルを折り曲げたような雨どいが設けられているクルマは、雨どいに引っかけるようにしてベースキャリアを装着します。

●なにもないクルマ
ルーフレールやルーフオンポイント、雨どいがないタイプのクルマでも、ルーフの端とドアの間に金具をはさんでベースキャリアを取り付けられます

ルーフラックとルーフボックスは目的に合わせて使分ける

ルーフボックス ルーフキャリア 

ベースキャリアが取り付けられただけの状態では、ルーフキャリアとしての役目は果たせません。ベースキャリアは各種のアタッチメントを取り付けるために必要な土台で、各ルーフキャリアメーカーから、さまざまなアタッチメントが販売されています。

アウトドアスポーツ用としては、サイクルキャリアやサーフボードキャリア、スキーキャリア、スノーボードキャリアなども販売されていますが、キャンプなどでの使い勝手を考えると、ルーフラックやルーフボックスが使い勝手がいいでしょう。

ルーフラックは自転車でいえば荷台、ルーフボックスは固定するハードケースのようなものです。ルーフラックは荷物が雨ざらし(雨合羽のように使えるソフトカバーも存在する)になりますが、価格も比較的リーズナブルで荷物の搭載性に自由度があります。

一方のルーフボックスは価格は高めとなりますが、雨やホコリなどをしっかりと遮断してくれて車内に荷物を積んでいるとの同じような状態で保管、移動ができます。ただし、ボックスのサイズ(内寸)を少しでもオーバーするものは搭載できないという面もあります。どちらを選ぶかは、使い方や何を載せるかによっても大きく異なりますので、熟考して選びましょう。

ルーフラック、ルーフボックスの取り付けは工夫して

ルーフボックスは右開き、左開き、両開きの3種に加えて、後ろ開きものもあります。どの開き方が便利かはその人の使い勝手によります。

カタログなどを見ていると、ルーフボックスをクルマの中央に搭載しているものを多く見かけます。見た目がいいですし、高速道路を走る際などは安定感がいいのは中央搭載です。しかし、実際の使い勝手としては右か左に寄せたようが荷物の搭載が楽になります。左側に寄せれば歩道側から荷物を扱えますが、ガードレールなどがあるとかえってアクセスしにくいということもあります。右側だとガードレールなどは気にしなくていいのですが、車道側からのアクセスなのでちょっと危ないこともあります。両開きタイプや後ろ開きタイプはどちらに取り付けても使うことができます。

ルーフラックはそこに載せるものの工夫も必要になります。まずどうやって固定するかを考えないとなりません。一般的な固定方法はゴムのネットやタイダウンベルトを使うことですが、おすすめはタイダウンベルトとゴムネットの併用です。また、バラバラの状態で載せるではなく、ある程度荷物をまとめてプラスチック製のボックスに入れる、防水袋に入れるなどしたうえで、ボックスなどはタイダウンベルトで固定、防水袋など柔らかいものはゴムベルトで固定しゴムネットを掛ける、もしくはソフトカバーを掛けると落下の危険性を減らせるでしょう。

ルーフラックに荷物を載せる際には「濡れてもいいもの」を基本に考えましょう。プラスチック製のボックスや防水袋には防水性はありますが、隙間や穴などから水が入り込むこともあります。衣服や寝具、炭などが濡れて使い物にならないと笑えないので、テントやタープなど濡れてもどうにかなるものを基本としましょう。また、SUVなどの車高の高いクルマの場合は脚立や踏み台なども用意しておくことをおすすめします。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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