【高齢者ドライバーだけではない】多発するペダル踏み間違い事故をどう防ぐか?

2019年10月1日

ペダルを踏む

最近は少し報道熱も冷めてきましたが、一時期は高齢者のペダル踏み間違い事故がやたらとテレビのニュースで取り沙汰されました。しかし、データを調べていくと、ペダルの踏み間違いを多く起こしているのは若年層であることがわかりました。ただし、事故の重大度が高いのは高齢者であることもわかりました。これらを踏まえると、ペダル踏み間違い事故は年齢に関係なく、積極的に防ぐようにしなくてはならないでしょう。

どうしてペダルを踏み間違えるのか?

ペダル踏み間違いの要因はさまざまなものがあります。急発進をして事故になる場合のペダル操作のフローを考えてみましょう。クルマはAT車で、信号停止からの発進とします。左足ブレーキは使いません。この状態、正しい待機はDレンジのままブレーキを踏んでいます。信号が青になったタイミングで、ブレーキペダルを緩めるとクルマがクリープ現象で走り出すので、そこからアクセルペダルに右足をずらす、アクセルを踏むと加速します。

こうした発進ではブレーキからの踏みかえなので、普通は踏み間違えません。間違えるとしたら、アクセルだと思ってブレーキを踏み、加速しないのであせって、踏みかえて急発進するというパターンが考えられますが、あまり現実的ではないと思います。発進した瞬間にブレーキを踏まなくてならない状況となり、ブレーキを踏んだつもりがアクセルだった、ブレーキペダルを踏み抜いてアクセルを踏んでしまったなどのことは考えられます。

危険なのはNレンジでアクセルを踏んだとき

もっとも危険なのはNもしくはPレンジでアクセルを踏み、エンジン回転が高回転になったときでしょう。ドライバーは発進しようとしてアクセルを踏みますが、NもしくはPレンジなので加速はしません。しかも負荷がないのでエンジン回転は高回転となります。そこでドライバーが焦ってDレンジにセレクトし直すと、高回転のままでギヤが入り急発進となります。
もし、NもしくはPレンジでアクセルを踏んでしまったときは、エンジン回転が低くなるまで待ってからDにセレクトし直すことが大切です。駐車場からの発進ではPでエンジンを始動し、DもしくはRを選んでスタートとなりますので、とくに注意が必要です。信号待ちではNやPを選ばずに、ブレーキを踏み続けるようにすれば急発進防止につながります。

物理的に起きるペダル踏み間違いを防止する

自動車事故

まず、きちんとしたペダル配置のクルマに正しい運転姿勢で乗ることが大切です。ペダル位置がずれていれば、ペダル踏み間違いの確率は上がります。シート、ステアリング、ペダルの位置関係は非常に重要です。マツダはそのことに真剣に取り組んでいて、ペダル位置の見直しや、マイナーチェンジでのテレスコピックステアリングの採用までを行いました。また、左ハンドルのクルマを右ハンドルにした場合、ペダル位置が大きくずれることがあります。なので、左ハンドルのほうがいい……という意見がありますが、そもそも左側通行で左側にハンドルがあること自体が危険です。

駐車場の料金所などでの暴走も増えているようです。自動支払いの料金所で、クルマを寄せきれないときなどは、ブレーキを踏んだままではなく、セレクトレバーをPに入れてから支払い作業をするほうが安全です。身体を乗り出しているうちに、ブレーキを踏んでいる足が外れることもあります。

こうしたペダル踏み間違い事故はATでばかり起きています。もっとも今はAT車ばかりなので、ATで事故が起きるのは当たり前です。しかし、MTでは一連の動作からペダルの踏み間違いが起きづらい傾向にあります。安価なMT車を用意するのもこうした事故を防ぐことにつながるでしょう。


(諸星陽一)

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