夏道と異なるからこそ知っておきたい冬道の運転術

2022年1月7日

スノードライブ 雪道

冬は雪が降ったり、路面が凍結したりで、道路が滑りやすくなります。この路面状況の変化こそが冬のドライブを難しいものにする最大の原因です。冬だからこそ気をつけたいさまざまなことを伝授するとともに、冬道ならではのちょっとしたドライビングテクニックの紹介もしていきます。

ドラテクうんぬんの前にタイヤをチェックしよう

タイヤチェック 空気圧
 

タイヤは内部に空気を入れることで初めて使用できる状態になります。タイヤの空気圧は200kPa~250kPa程度が多く、なかには290kPaと高めの指定となっている場合もあります。空気は温まると膨張し、冷えると収縮します。タイヤの空気圧は1℃下がると1kPa下がると言われています。真夏の日なたのアスファルトは60℃にもなると言われていますので、水たまりに氷が張るような路面で0℃だとすれば60kPaも空気圧が下がることになります。

とくに扁平率の低いタイヤは空気量が少ないので空気圧低下による影響は大きくなります。ここまで下がってしまったら、ドラテクうんぬんではありません。まずはタイヤの空気圧をしっかりとチェックすることから始めるべきなのです。

また、降雪地帯でなくてもできることなら、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤに交換することをおすすめします。というのも夏タイヤは気温が7℃程度を下回ると、どんどんグリップが低下していくからなのです。スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤは低い気温でもグリップが確保されるコンパウンド(トレッドのゴム)が採用されています。万が一の降雪に備えるだけではなく、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤを履くのはきちんとした意味があります。

ウインタードライブの基本は路面を見極め、速度を落とすこと

ウインタードライブが危険なのは路面が読めないことにあります。春夏秋の3シーズンのドライ路面ならさほど大きな違いはありませんが、冬は突然に一部が凍っているなどの事態が起きます。

現代のクルマはABSやトラクションコントロール、ESC(横滑り防止装置)などの制御デバイスが装着され、かなり安全になってきています。しかし、どんなに高性能な制御デバイスであってもタイヤの性能の限界を超えることはできません。タイヤの限界を超えないようにするためには速度を落とすことが大切です。

速度が高いとタイヤは限界を超えやすくなり、結果として止まりきれなかったり、曲がりきれなかったりして事故に至ることがあります。そして、路面がどんな状況であるかをしっかりと把握することも大切です。漫然と運転するのではなく、路面の状態をよく観察しましょう。

ときにはトラクションコントロールのスイッチをオフにすることもある

雪道で坂道発進を失敗したときは、少し後ろに下がってから発進を仕切り直しましょう。発進を失敗したということは、そこは滑りやすい路面になっています。もともとは滑りやすい路面でなかったとしても、一度空転させてしまうと磨かれて滑りやすくなってしまうので、失敗した際には新しい路面で発進し直すほうがうまくいく確率が上がります。

発進の際はアクセルをゆっくりと踏み込み徐々に動かします。アクセルペダルの上に右足を乗せて、踏むというよりも親指側にひねるような感じで動かすとアクセルペダルをジワリと操作できます。

雪道でスタックしてしまい、脱出できないときはトラクションコントロールをオフにすると脱出できることもあります。トラクションコントロールというのはタイヤの空転を検知して空転しないようにエンジンの出力を制御してくれる装置です。滑りやすい路面などでアクセルを踏みすぎたときなどに働いて、発進を助けてくれます。

基本的には常時オンで使うものですが、オフスイッチが装備されオフにすることができます。トラクションコントロールが働いてしまうと、タイヤの回転が抑えられてしまい、空転すら発生しなくなります。しかし、深い雪のなかではバンバン空転させてどこかのタイミングでクルマが動き出すこともあります。また、空転させることで雪を掘って、舗装路面にタイヤ接触させるということもできます。

脱出の際は前進と後退を繰り返し、クルマを前後に揺らしながら動かすのがポイントです。1cmが2cm、2cmが3cmとなってやがて脱出できます。できる限りハンドルは切りません、ハンドルを切ると抵抗が増えるからです。

タイヤチェーンを装着してクルマが発進できないときもトラクションコントロールをオフにします。タイヤチェーンの締め付けがゆるいと、チェーンのなかでタイヤが空転します。センサーがそれをキャッチするとトラクションコントロールを働かせて出力を絞ってしまうのです。

本来はタイヤチェーンをしっかりと締めて空転しないようにするべきですが、チェーンのコマの関係でどうしてもゆるくなることがあります。そうした際は、空転しながらもグリップさせる……という方法で走るので、トラクションコントロールをオフにするのです。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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