安心

　金融関連情報を中心として国際的にニュースを配信する通信社｢ロイター｣のサイトから、『7歳児を一人で公園に行かせた米女性逮捕、「過度な制限」と批判も』に注目。


　パチンコに狂ったバ○親によって、灼熱の自動車内で殺されてしまう子どもの悲劇が後を絶たない我が国に対し、アメリカでは子どもがクルマに取り残されていた時点で警察に通報され、親は児童虐待の嫌疑で逮捕されると聞く。
　この点日本も見習うべきだなぁと思う反面、行き過ぎが無いわけではない。

　アメリカ在住のとある日本人家庭において、風呂上がりに父親と幼い子どもがプロレスごっこに興じていた様子を母親が撮影。他のシーンと併せ何の気なしに現像を依頼したところ、写真屋の従業員が「半裸で絡み合う大人と子ども」の映像を見咎め、性的虐待を疑って警察に通報したため、この日本人夫婦が逮捕された……などという事件も現地で耳にした。

　虐待や育児放棄が見過ごされてしまうよりも、誤報であってもいいから積極的に通報するコンセンサスを理解しつつ、家庭内の微笑ましい余興までが疑いの目で見られてしまう状況に、心寒いものを覚える。


　フロリダの警察も、子どもの安全を慮っての法執行だったものと推察するが、罪を問われるべきは子どもを独りで歩かせた母親ではなく、公園で遊ぶ子どもの安全を保障できないほどに治安を悪化させてしまった警察組織を含む社会全体だと思うのだが。



　とは言え、母親の行動も誉められたものではない。
　私が気になったのは「首に掛けた携帯電話」。遊んでいるうちにストラップが遊具や木の枝に引っ掛かり、頸部を圧迫されて窒息してしまう危険を排除し得ない。冬場はパーカーのフードでも同様の事故が発生しており、子どもが公園で遊ぶ際は衣服や持ち物に注意することと併せ、やはり大人が見守る必要があるだろう。


　警察が無闇矢鱈と法を執行するのではなく、また住民相互に疑心暗鬼の監視体制を敷くのでもなく、穏やかに、しかし注意深く子どもたちの安全・安心と成長を見守る社会であってほしいものだ。