起立

　東京六大学野球の応援席における作法として、試合前・試合後のエール交換および7回の校歌斉唱時には起立・脱帽を求められる他、席の移動やスタンドからの退出は原則的に認められない。





　さて試合途中に昼寝をしてしまったものの、1回から9回まで応援席に居て目覚めている時は声援を送っていた次男。
　試合終了後のエール交換で、我が母校々歌を意気揚々と歌って（さすがに歌詞を全部覚えてはいないが、メロディ＆サビの部分だけは諳んじる）いた……はずが、何やら様子がおかしい。シートの上に靴を脱いで立ったまま、フリーズしている。

　私の袖を引くので、口元に耳を寄せると「パパ、おちっこ」とな！。
　これは困った、今は動けないぞ。もう少し我慢できないかなぁと次男に申し伝えようとしたが、時既に遅し。「もう出ちゃった」
　ズボンは上から下までびしょ濡れ、シート上には池ができていた。


　さて、東京六大学OBである親の立場での対応として正しいものは、以下のどれだろうか。


①尿意に気付かぬまま漫然と過ごしていた次男を叱る
②定期的に便所に連れて行かなかった親自身がまず反省する
③エール交換の作法に従い、尿意を極限まで我慢していた次男を褒め称える



　ちなみに今日の第一試合：慶應大対立教大は、エース澤田の完投で立教大が先勝（4－1）。第二試合：伝統の早明（明早）戦は、肘の故障で未だ出番の無い早稲田のエース有原に代わり開幕試合の法政大戦にも先発した一年生投手・大竹（スポーツ科学部／済々黌高）始め各投手を攻略し8点を挙げた明治大が、エース山崎－斎藤の継投で早稲田の反撃を3点に抑えて快勝。それぞれ明日の試合で勝ち点獲得を期する。




　なお、「シート上の池」は私のタオルハンカチに吸収させてから座面を拭き上げ、手持ちのビニル袋に密封して持ち帰ったことを申し添えておく。