関税

　全国紙・産経新聞のニュースサイト「産経ニュース」の配信記事から『日本での“爆買い”に歯止め　中国が関税引き下げ　国内消費を喚起』に注目。

　産経新聞の記者が、肝心の部分を端折るなどして未熟な記事を書いているのでなければ、中国政府がいったい何をしたいのか全く以て意味不明の記事。


　国内産業振興のため記事とは逆に製品輸入の関税を引き上げる一方で、金融政策を駆使し国内の物価動向を安定させ、産業政策で国産品の品質向上を目指す……のであれば、内需が喚起され膨大な額の外貨流出を伴う「爆買い」抑制に直結する。

　しかし海外旅行を抑制し輸入品購入へ誘導しても、中国国内で旅行会社が上げていた利益が小売店に付け変わるだけ。また、海外旅行での消費(貿易外収支の赤字)を抑えても、結局のところ貿易収支の赤字が膨らみ、日用品関連の関税収入が減るだけで、中国政府には何のメリットもないと思うのだが。


　まぁ他国の経済政策を、しがない学士風情が云々したところで何の影響力も及ぼし得ないし、仮に稚拙な政策運営で中国経済が破綻したところで私の知ったことではないが、最後に一つだけ、重大な懸念を表明しておきたい。


　関税が引き下げられ、中国国内で流通が増えるであろう「日本製」の日用品が、本当に「日本製」であるかどうか非常に疑わしい点、である。