志行

　まだ夜の気配が強い早朝0500時前、愛機に火を入れる。
　長男と2人、羽田空港へ向かう。道中渋滞に逢うことも無く、親子は1時間ほどで空港ロビーに立っていた。
　その間に昇って来た朝日が美しい。


　今回は親子二人旅……ではない。
　搭乗するのは長男のみ。初めての航空便を利用した一人旅に発つ。
　ただし特別にケアして貰える「ジュニアパイロット」サーヴィスを利用し、私もセキュリティエリアまで帯同。搭乗口で見送ることが許された。


　煌めく朝日を受けて、未踏の道を進んでいく我が子。
　彼を見送り、飛び立つことなく下の到着フロアへ戻る私。

　子の成長を慶びつつ、我が身の行く末を暗示するが如き、長男と別れて後の歩みに寂しさを禁じ得ない。
　私も、そういう歳になってしまったのだな、と。



　とは言え、まだ老け込むには早い。私自身が愉しまねばならぬイヴェントは、まだまだ世の中にたくさんある。
　急ぎ都内へ戻り、次男と合流。昼間は調布市のアミノバイタルフィールドで挙行された、関東大学アメフトのリーグ入替戦を観戦してきた。
　
　下部リーグ(BIG8)で優勝した東京大／2位横浜国大が、最上位リーグ(TOP8)7位明治大／8位日體大と対戦。スポーツ推薦制度の無い国立大の奮戦はあっぱれと言う他ないが、やはり上位リーグ所属チームの壁は厚く、それぞれ元のリーグへの残留が決まった。

　グラウンド上の低空を通過する、調布飛行場への離着陸機の姿も愛でながら、楽しい週末を過ごすことができた。


　0500時前に家を出てから、羽田空港-東京都心-アミノバイタルフィールド-所沢で遅い昼食&おやつ……と辿り、帰宅は1700時。半日を費やした充実のドライヴだった。