差止

　地方紙・北海道新聞が運営するニュースサイト「どうしんウェブ」の配信記事から
　『ふるさと納税「大間原発差し止め訴訟」費用に　函館市』　(本日付更新・掲載は4/1)および
　『大間訴訟、長期化の様相　函館市、原発差し止め提訴３年　市民らの先行訴訟焦点』に注目。


　拙ブログ主は昨年、ふるさと納税制度を活用した新しい民主主義の出現を予測した。
　年末に続き、また新たな事例が紹介され、かつて政治を学んだ者として鼻が高い。

　昨年の佐賀県上峰町の件は、寄付(＝ふるさと納税)を受け取った側の浅ましさが露見し、行政・議会は恥ずべき状況に追い遣られていたが、今回の函館市の例は、原発設置差し止め訴訟を闘い抜かんと毅然とした態度が気持ちいいし、行政責任を果たす在るべき姿の好例と言える。


　各地の返礼品に目を奪われる享楽ぶりも決して悪くはないが、函館市のように住民の生命・安全を護るべく提起された訴訟費用に特化して納税を募り、全国から参加してもらって当事者意識を「返礼」とすることも、今後永くふるさと納税制度が存続するのであれば大きな潮流として成長させるべきだ。

　基地問題を抱える自治体などは、函館市の取組みを参考にされてはどうだろうか。
　多額の寄付が集まれば、基地返還に向けた活動や、返還後の雇用対策などが手厚くできる。
　一方で然程寄付が集まらなければ、即ち世論の賛同がいまいち盛り上がっていないことを示す。

　財政面で助けとなるだけでなく、政策の妥当性を測るバロメーターともなろう。