大義

　全国紙・産経新聞が運営するニュースサイト「産経ニュース」の配信記事から『【衆院解散】与野党動き出す　首相、北問題長期化を懸念　自公「このタイミングしかない」　民進は「民共共闘」結論迫られる』に呆れる。

　風が強いのは、台風のせいかと思いきや、どうも国会？政権与党本部？の方から、「解散風」なるぬるく生臭い風が吹き始めた。



　民主主義を完全に機能させるには、コストがかかる。
　コストに見合う政治的な成果が得られるなら、国民は負担を甘んじて受け容れねばならない。

　解散総選挙に要する費用、実に600億円。そのコストに見合う「大義」は、いずこに在りや。
　側近ですら大義を知らされていない解散について、有権者の理解を得ることは最早不可能ではないか。


　
　政権与党内部からも、北朝鮮情勢が緊迫の度を増す中、選挙どころではないとの声が出ていると聞く。
　選挙期間中に、規模の大小を問わず国民生活へ影響し、生命・財産に危害が及ぶ事態が発生すれば、世論は一挙に政権批判へ向かうだろう。

　飛び道具を用いるのは、何も隣国だけではない。
　「文春砲」がメガトン級のスキャンダルで飽和攻撃を仕掛けて来たら、政権は持つまい。


　もし自分の都合の良いように国際情勢を分析し、マスコミ報道が世論に与える影響を軽視しているのであれば、「平和主義を唱えていれば国を護れると思っている」と安倍首相始め保守勢力が批判する、原理主義的な左派勢力の思考回路と大差ない。


　選挙期間中は、北朝鮮も文春も大人しくしてくれ、政権与党が過半数を得られると見積もるなら、その余りにポジティヴな思考の根拠を、解散総選挙の大義と併せて詳らかにしてもらいたい。

　私個人は、政権の思う通りにはならないと予想しているが。