村上春樹

　『オレの真似するなよ、村上春樹！』・・・そう私の自尊心が叫んだ

　とある方から、「Jさんの文章って、村上春樹に似ていますね」と言われた

　読んでみたところ、確かに文章の紡ぎ方がよく似ていたので、冒頭の叫びになった次第である

　世間的には、私が村上春樹さんの真似をしているように映るであろう

　が、間違っても、村上春樹さんの作品に感化されて文章を似せているわけではない

　何にしろ、村上春樹さんの作品を読んだのは、今回が初めてである

　読んだのは、「ノルウェイの森（上・下）」、続けて「蛍・納屋を焼く・その他の短編」

　画像にある「ふわふわ」は、これから読むところ


　私は、長編小説をあまり読まない

　長く時間を束縛されるから・・・

　これは、「映画館で映画をあまり見ない」のと同じ理由

　だから、有名とは言え村上春樹さんの作品を手に取ることは無かったのである


　「ノルウェイの森」を読んだ感想は・・・

　『村上春樹さんって、ダンディズムが欠落しているのでは・・・？』

　という、ある種不遜な感想だった

　20歳頃の若い男が主人公だということが原因かもしれない

　ハタチそこそこでは、ダンディズムというものはなかなか出せないものであろう

　私自身を振り返っても、恥ずかしさしか思い当たらない20歳であったから


　他の感想としては、自殺者が「これでもか！」というほど出てくるため

　『波すらない暗闇の深海にいるかのように心が沈んでしまう』と、いうもの

　私も実社会で自殺の報に接することが幾度かあった

　しかし、自殺した方々の中に、「死んで当然」な人はひとりもいなかった

　真面目であったために自ら命を絶った方ばかりである

　生き続けてほしかった人たちばかりである

　故に、劇中とは言え自殺者が多数登場すると、私の心は深く沈んでしまう

　純文学だからそれで良いのであろうか

　「死生観」がテーマであればそれで良いのであろうか

　『私だったら、読後に救いのある、清涼感を得られるような作品を書くのに・・・』と、思ってしまう


　いずれにせよ、「村上春樹を発見した」というのは、私の中のビッグニュースである

　気づかせてくれた「とある方」には、感謝しかない

　村上春樹さんにダンディズムがほとばしる作品があるかもしれない

　また、読後清涼感のある作品があるかもしれない

　（でなければ、ノーベル文学賞の発表を待つ「ハルキスト」達が、毎年あんなに明るくシャンパンを片手に「今年こそ獲ります！」と、テレビクルーを前に笑えるはずがないであろう？）

　今しばらく、村上春樹さんの作品を読んでみようと思うのである