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父が亡くなった。

私にとっては、生まれてからずっと、居ることが常であった存在。
ま、当然なのだが。

男親と息子って、お互いがある種ライバルのような存在。
だから、そんなに喋らない。
そんなもんだろう？
でも、気になることがあると、電話すれば話が出来た。用件だけの短い話。
だが、今はもう話すことが出来なくなってしまった。
父と話が出来なくなってしまった現在の地球に違和感。

生涯86年間闘病にあった。
皆が言う、よくぞここまで生きたものだと。
父はその最期の一週間、「死の美学…」と、口にして、自らの意思で食べることも水を飲むこともせず、しかし苦しむこともなく、そして静かに息をしなくなったと言う。

『さて、私はこの父を超えて行けるのか…』
ケツの座りの悪くなった地球から星空を見上げ、口を結んだまま、私は、挫けそうになったライバル心を奮い立たせようとしている。

別にね。
ただそれだけのことなんだけどね…

　令和５年（2023年）GT-R初走り。



　寒気は相変わらずだが、日光が降り注ぐ快晴の日。
　港にて。




　投げ捨てられたゴミが溜っている。
　港湾地区。
　街路ではない。
　掃除する者もいない。
　やがてそれらのゴミは、風に流され海に落ちるのであろう。
　その猥雑さも港町ゆえ。

　別にね。
　ただそれだけのことなんだけどね。

　つかもうとして、つかまなかった星がある。
　そのことに後悔する。
　そんな夜もある…

　別にね。
　ただそれだけのことなんだけどね。

　本州の西の端でのすみっコ暮らし。
　波打ち際のカフェに来れば、




　海に沈む夕日が見える。
　その夕日を見ている時間、人生が止まっちまう。

　『別にね…』

　いや、そう感じるだけなんだけどさ。

　ただ、それだけのハナシ。

　何てことない街の、
　何てことない夕景が心にしみることがある。

　『別にね…』

　最近、解脱されたのか、吟遊詩人のようになったみん友さんの夕景画が気になってね。

　それだけのハナシ。