
過ぎ行く夏を追いかけて
興奮して転んだ君はすっとこどっこい
「超電磁マシーン降臨からの」
宇宙...
それは果てしなく広く深く
人間の探求心を吸い込む
暗闇が支配する空間
生命の源である日を照らしてくれる太陽、そして雨を降らせてくれる空は自然の恵み。地球という大地に足をつけて生きてきたかつての人間たちは、この空の先に何があるのかなど考えもしなかった。時が経てもなお、地球外生命はおろか、地球以外に惑星が存在していることですら、サイエンスフィクション好きな一部の人たちの妄想だと嘲笑し、排除してきた過去がある。
......
西暦2075年のこと、運命の日...
机上の空論、現実には起きるはずが無いと考えられてきた大規模な太陽のスーパーフレアが発生する。それはわずかな時間ではあったものの地球の磁場を乱すには十分で、その直後から地球はハビタブルゾーンをわずかに逸れて回り始めた。
その影響たるや凄まじく、地球上の気温は人類の想定を超えて上昇し始め、それに息を合わせたかのように溶けだした南極の氷が、諸島や先進国も含めた一部の湾岸都市を消滅させた。さらには急速に拡がった砂漠化がもたらした被害も甚大で、国力維持のために国営をミニマムに展開せざるを得なくなった世界では助力が機能しなくなり、人類の摂理営為が崩れ落ち、運命の日を境にして世界の人口は十数年あまりで約3分の1にまで減少していた。
地球の未来像を推し測るには過去の試算など役に立つはずも無く。
『人類滅亡』などという雑多な言葉が現実味を帯び始めるほど危機に瀕した局面で、課題となったのは当然食糧や資源の確保だった。しかし、瘦せ続ける土地、労働人口の大幅な減少と、すでに地球はそれらの生産体制を再構築しているような余裕も猶予もないような状況に陥っていた。
そんな迷う時間すら惜しい中、地球と生き延びた人々だけは最小限の力で維持し、食糧や資源を地球外から調達するという、勇気と好奇心とが入り混じった大胆とも言える戦略に人類の存亡を賭けて舵を切る。
簡単に地球外とは言っても、当時の技術で考えれば常識外れとも言える発想だったのは確か。なにせ太陽系の惑星にそれらが無いということはすでに判明していたし、つまりは銀河系を突破する必要があったからだ。
しかしながらこれを転機とばかりに、地球存続のための最重要課題として世界各国が手を組んだ結果地球連邦が発足し、これまでとは比べものにならないほど飛躍的に宇宙開発が進んだ。これまでの宇宙探査研究といった産業利用目的のアプローチをやめ、宇宙生存利用という積極的進出アプローチに切り替えたことが功を奏した。いわゆる「本気」というやつだ。
これまでも強い生存欲求とサバイバビリティでいかなる危機も乗り越えてきた人類であったが、常識の枠や概念の域を見事に超え、この地球史上最大の危機をも打破することとなる。
......
時は流れ、西暦2125年...
コンコンコン
「ミデオ艦長」
「...なんだ」
「わたしです、少しよろしいですか」
「構わん、入りたまえ」
ウィーン シューッ
「艦長...」
「どうした、シロミ中尉」
「わたし...やっぱり納得できません!」
「シロミ中尉声が大きい、皆もう休んでいる」
「はっ...申し訳ありません」
「眠れないのか」
「艦長は...ご納得されているのですか」
「その話か...」
「はい」
「...命令には従わねばならん」
「地球には戻るな...ですよね」
「そうだ」
「しかし...地球を救ったのはわたしたちです!」
「...英雄気取りだな」
「そういうわけでは...」
「我々は戦犯という扱いになっている」
「...宇宙戦争だと担ぎ上げられて」
「...」
「...平和が戻れば用無しということですか」
「口を慎めシロミ中尉」
「...はっ」
「不穏な動き...とだけ伝えておく」
「不穏?...どういうことです」
「シロミ中尉、君にこれ以上の詮索は不要だ」
「...はっ」
「明日の航路は聞いているな?」
「はい、第二惑星連邦基地にて補給予定です」
「明日も早い、休むんだ」
「...わかりました」
ウィーン
「シロミ」
「...はい」
「...すまないな」
「ミデオ...」
シューッ
......
彼女の名前はシロミ。宇宙開発の第一人者という両親の元で生まれ育ち、物心がついた頃には宇宙に憧れていて、秘境にも似た夢の空間にずっと魅了され続け、国立宇宙大学校に進学した。シロミは両親ゆずりの頭脳明晰さを発揮し、大学を主席で卒業。その後地球連邦軍の宇宙専属部隊に入り、ミデオ艦長の率いる地球連邦軍ダッマラン駆逐艦隊の乗組員に選抜された。さらにシロミは持ち前の明朗快活な性格と精励恪勤な振る舞いが見込まれ、25歳という若さで艦長直属の部下として中尉の階級を任命される。神がかり的な早さでの昇進だ。
そんなシロミが乗り込むダッマラン駆逐艦とは、地球連邦軍が開発に成功した宇宙船である。この宇宙船に求められたのは耐久性、快適持続性、そして空間突破力であった。
これでもかと最新技術が注ぎ込まれたこの機体、コバルトリッチクラスト、マンガンノジュールといった海底鉱物をカミナリエネルギーで特別変異させることで、強靭なボディや破綻しない電気系統を手に入れることに成功している。そして最も重要視されていた突破力に関しては、瞬間時空間転移とまではいかないまでも、恒星や星間をつらぬく宇宙空間のいわゆる磁場を利用した『超電磁波共役転置式超光速移動』と呼ばれる移動技術を採用し、銀河系の突破、さらには惑星間の移動時間を大幅に短縮した。
......
さて話は少し遡る。これまでに地球人類が降り立つことができた惑星は8つ。そのどれもがかつての地球に似た豊かな環境と豊富な資源を有していた。惑星の名称は決まっていないが、発見した順に第一惑星、第二惑星...と呼称している。
この地球外惑星を発見できたことで地球脱出への期待値が高まり、宇宙開発の動きは加速する。まず基盤となる連邦基地の確保、そしてエネルギー生成システムの構築、食糧を含むライフラインインフラの整備などが怒涛の如く進められた。
8つの惑星のうち、地球外生命を確認したのは2つの惑星。第三惑星と第八惑星だ。地球とは違うベクトルながらも両惑星とも文明やそれなりの社会がすでに成り立っており、地球人に入り込む余地は無く、安全保障や食料供給保障を交わすにとどまった。
しかしながら地球外生命に対する興味は両者ともに強く、歴史、政治、社会風刺、観念、教えなどの情報交換は盛んに行われていた。
...そんな中。
第八惑星から、地球侵略の声明文とともに突然の戦争開始を通告される。第八惑星からすると地球の位置が惑星間移動の中継点として都合がいいのだ。借りるのではなく自分のものにしたいという第八惑星人の自分都合万歳な思考なのだが、地球人は当然それを迎え撃つことになる。つまり、これまで幾度も内戦を繰り返してきた戦闘好き地球人としては黙ってはいられないのが元よりの性分なのである。
宇宙戦争の始まりではあったが、こういった事態は想定内のことであり、開発した駆逐艦には攻撃機能が備わっていて、文明力で勝る地球連邦軍のダッマラン駆逐艦隊は第八惑星の発展途上の宇宙船を圧倒的火力で粉砕した。
......
実はこの宇宙での戦いの細かな情報は連邦軍内部でのみ処理され、地球の人々には操作された偽の情報しか伝えられていなかった。というのも、人々の間で地球脱出を期待する声が高まり続ける中、またそれを実行に移したい思惑のある連邦軍にとって、駆逐艦に強烈な戦闘能力があることや宇宙に脅威があることを人々に悟られたくなかったのだ。
話は、地球連邦軍のダッマラン駆逐艦隊が不用意に第八惑星の宇宙船へ先制攻撃をしかけたことで第八惑星との宇宙戦争が始まってしまったことになっている。そして、両惑星とも宇宙船同士の被害に収まりはしたが、この戦争自体を無駄に勃発させた罪は重いとして、戦犯『一年間の宇宙漂流』を言い渡された。
......
そして現在、宇宙を漂流するダッマラン駆逐艦にシロミはいる。
「これから超電磁波共役転置式超光速移動に入る」
『了解、ミデオ艦長』
「目的地、第二惑星」
『了解、ミデオ艦長』
『目的地セット!』
『超電磁波充填を開始します!』
『中央コアエネルギー制御開始!』
『調波レール制御異常なし!』
『第一充填完了!第二充填に移行します!』
『磁場トラック着点完了!』
『瞬間圧壁入りました!』
『第二充填完了!』
『磁場に乱れなし!いけます!』
「よし、発進!」
......
『軌道にのりました』
「第二惑星では補給と整備を行う」
『了解、ミデオ艦長』
「到着まで、各自準備を進めるんだ」
『了解、ミデオ艦長』
......
「よお、シロミ」
「なによ、セバスチャン」
「セバ...セバスチャンって誰だよ?!」
「あんた」
「は?急に変な呼び方すんな」
「あははごめんごめんホッツ」
「謎の遊びをするな」
「はは...で?なによ、ホッツ」
「ああ、第二惑星まで30分ほどだろ?」
「うん、まあそうね」
「しりとりしようぜ!」
「やだ」
「あっ、そう...って光速で断るな!」
「なんで急にしりとりなのよ?!」
「しりとりの気分ってときあるだろ?」
「ないわよそんなとき」
「うー...いいからやるぞしりとり!」
「こどもかあんたは」
「じゃあ俺から始めるからな!」
「は?」
「次シロミの番、『つ』、『つ』だぞ」
「は?」
「は?じゃなくて、『ばくれつ』の『つ』」
「あんたばかなの?」
「いいから続けろ!ほら!」
「はあ~...わかったわよ、つ、つ...」
「ほうほう!」
「なに興奮してんのよ」
「そうきたか!って思ってな」
「いやべつに普通じゃない?つくねとか」
「いや俺的に尊敬に値する」
「あんたやっぱりばかなの?」
「次俺な、『ね』だよな」
「ちょっと聞いてる?」
「よし、いくぞ!」
「はっはっは、どうだ降参か?」
「...これさ、しりとりになってる?」
「俺たちは今、しりとりをしている」
「そ...そっか、えと...確か『か』だっけ?」
「そうだ、『なにか』の『か』だ」
「う~...か...か...」
「ぬっ...やるなシロミ」
「え、そ...そう?」
「だがここで引く俺ではない」
「いやそこまで本気にならなく...」
「しかと聞けシロミよ!」
「いや、だからね...」
「め...め...めー!!」
「ずっるーい!『からの』ってなによー?!」
「接続詞だがそれが何か」
「今のは『うどん』の『ん』でアウトでしょ!」
「接続詞には感謝しかない」
「えーっ?!なんでもありじゃーん」
「シロミほら、次『ば』だぞ『ば』」
「むぅ~...ば...ば...」
「シロミよ、カタカナ言葉は禁止だぞ」
「は?!なにそのルール?!」
「しりとりは奥が深いのだ」
「自分ばっかりずるい!」
「はっはっは」
「笑ってごまかすな!」
「ほらほら、負けを認めるかシロミ」
「ぐぬぬ...ば...ば...」
「ぬぅあ!鋭角の切り替えし!」
「だから興奮しすぎだって」
「シロミ...きみはもしかして...」
「な...なによ?」
「しりとりマスターなのか?」
「違います」
「まあいい、俺の底力を見せてやるよ」
「どうでもいいけど次『な』だからね」
「やってやるぜ!」
「ちょっと!『からの』は禁止だからね」
「魂の叫び!...なーっ!!」
「ふふ、俺は負けるわけにはいかんのだ」
「...やっぱりあんたばかね」
あ、ロンパメです。
売れない映画監督が自身の進退を賭けて世に送り出した映画のタイトルが『宇宙大戦争』っていう地味度99%&残念度99%のパッとしない感じの救いようのないタイトルだったから「あ、終わったな」って映画関係者のほぼ全員が発表と同時に思ったけどそんな堅苦しさMAXタイトルとは温度感真逆の『これで宇宙はキミのものだ!やったね!これが超絶スペクタクル地球未来物語ってこと!...いやでも待てよ...つながる嬉しさに感嘆からの涙』っていう謎キャッチコピーを武器にいちかばちか大々的に全国の映画館で上映を始めてみたら目を輝かせた宇宙大好き少年少女たちがその謎キャッチコピーに想定を超えて釣られまくって列をなすようにしてこの映画を鑑賞した結果休み明け月曜日の学校の昼休みはこの映画の話題で持ち切りになって「わたし昨日しりとり映画観に行ってきたよ」とか「あれさそもそも宇宙設定不要じゃね?」とか「逆にほぼしりとりしか覚えていないぞ俺は」とか「接続詞が最強説あるよね」とか「将来の夢はしりとりマスターです」とか「もっと自由に生きてみてもいいのかなわたしたち」ってなってこの映画を観てしまった児童生徒のほぼ全員が自由な感覚でしりとりを始めたら壮絶な接続詞の嵐になって地球のしりとりの歴史が変わってしまいそうでしたが、先日は暗がりのトンネルに行ってきました。
先日、と言っても、かなり前のことです。今日は1月1日なのでそうですねだいたい...うん、かなり前のことです。おおよそ2か月くらい前のことですおそらくたぶんきっと。
前回のブログで『これからお見せする写真が今年最後のほんとのしろデミちゃんの姿です』とお伝えしましたが、ウソでした。いえ、結果ウソになりましたという言い方が表現としては適当です。本当です。諸所の事情です。だからわたしは悪くありません。
☆前回のバリバリかわいいブログはこちら
idealな祝祭食後グリーンティー!きっと試されているのねしろデミちゃん
で、この暗がりトンネルですが、絶妙な暗がり加減がしろデミちゃんのスノーフレイクホワイトパールマイカっていう白色ボディを超いい感じに映えさせてくれてとにかく陰影マジ最高って気分になってこれってやっぱりかわいすぎる白色ボディコンテストでグランプリ受賞レベルじゃないか!!(語彙力)
それってこんな感じかも!

(だれかトンネルに感謝状を!)
これはグランプリを受賞しそうです。

(トンネルのおかげです)
あ、あ、あ...。

(ト、ト、ト...)
グランプリを受賞しました。

(そっかー)
そんな中。
かわいすぎるしろいろボディコンテスト?
そんなのにアタイをださせるつもり?
アンタそれがどういうことかわかっていってる?
って感じの攻め言葉が聞こえてきました。
アンタさぁ...。

(あ!もしかして...シ、シ...)
アタイのかわいさわかってる?

(シ、シロミ様?!)
くらべるまでもないのよっ!

(え?!ああぁっ!)
みんながみとめるかわいさんなんだからね!

(ち、ちかいですシロミ様!)
わかればいいのよわかれば。

(ははぁーっ!!)
“フロントガラスにこぼれ落ちる細雪
ふたりの時間と一緒に溶けて流れる”
ねえ、パンケーキ作ってよ。
ふわふわのやつ。
え?うんうんそう、ふわふわのやつ。
え、いや違...ほらふわふわのやつだって。
ちょ...待っ...いやそれガッチガチのやつだし!
じゃなくてほら...こういうの!ふわふわのやつ!
...ってだからそれまたガッチガチのやつ!
ちょっと...わざとやってない?!
はは、やっぱりしろデミちゃんはかわいいです。
ロンパメバーグ
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Posted at
2025/01/01 15:40:54