2007年09月10日
助っ人3
暇な夜勤は幸せで、こんな日は文献を読んでいる。
マックの横には付箋紙をつけた本があって気の向くままに読み漁る。
壁の時計が23時を告げた。
体を眠らせてはいけないので一回りする。待合のベンチに竜馬の本がおいてあった。
パラパラめくっていくと、いろは丸沈没のところに付箋が挟んであった。
嫌でもトリアージが浮かんできた。自分ならどうするかと考えつつ無意識に事務所に持ち帰った。
深夜食の札幌ラーメンをすすりつつ、京都でおきた不思議な事件を当てはめてみた。全員救出できるのか…
今なら必要なものはすべて揃う。が随分昔ではある。
あの音が近づいた。が、なぜか遠ざかる。ので妄想を展開する。
夜明けを迎えた時には、作戦は出来上がっていたが、頭の体操と忘れることにした。
帰るメールを入れ、72時間振りにランダーをよみがえらせた。
高速に入ってもキモチが収まらないので考えつつ走っていると
後ろから赤いのをクルクル回した白黒パンダがきた。
「止まってください。」
メーターを咄嗟に確認した。ちょっとだけオーバーか。(またかよぉ)
狭いパンダに乗り込むと女が居て
「取引しない?」
「なんとでしょうか」
「ポイントクリアってのはどう?」
「ポイント集めてますんで(^^ゞ」
(ここで、変なのに引っかかってたまるか)
「じゃ人助けは?」
「喜んで(いけね、ひっかかった)」
「器材も何もないけどいいの」
(この一言で全部読めた、事前に勉強させておいてってところか)
「経験だけ貰えれば。あ、助手がいると助かります。」
「それは考えてあります」
じゃ、「これ持って」と云って赤い薄紙を渡された。他人から見ると赤切符じゃないか。
午前三時、なぜか目が覚めた。台風が接近していてキャンプが中止になったというブログもあったのを思い出した。
ぼんやりした頭でトイレのドアをあけると…
砂浜だった。パジャマは作務衣に替わっていた。
海を見た。竹竿の釣り人が三人いる。釣り上げた鯛やメバルが砂浜でばたばたしている。入れ食いらしい。
声をかけて振り返った顔を見たら知った顔である。
「どうした?」
「どうにもビリーしてたら向かうから話し掛けよるんだ。」
「ちょっと古い船の操縦せえへんか」ってね。
「釣りとうまい酒のオプションもつける」云うからOKしましてん。
「ですね。」
「そういう意味か…」
振り返ると例の女と青年がいた。
グリーンのガウンに帽子をかぶっている。まんま抜け出してきたみたいな感じか。
「助っ人は彼よ。修羅場を切り抜けるには最適じゃない」
「操船と救難は、こちらの3人と現場であと一人合流するわ」
お仕事を説明します。
「いまから、十二時間後に発生するいろは丸沈没事件で竜馬を助けます。何があっても最優先。あとは誰を助けるのも自由です」
「十二時間も行方不明か…」
「それは大丈夫。彼はコンマ一秒、あなたはトイレに入っているので五分。
全員、うまく配分するから心配しないで。
今から鞆の旅籠に行ってちょうだい。適塾塾頭の触れ込みで予約を入れてあります。
現地の医者は山向こうに往診させてあるから安心して。
そちらは播州と讃岐の国の粋人で夜釣りにきたとしてあります。船は、港に泊めてあるから後で見ておいて。
「ではのちほど」とまくし立てると居なくなった。
4人でとぼとぼと歩いて鞆の浦の旅籠についた。
連絡が行き届いていて、すぐに2階の座敷に通され魚料理にうまい酒
てんこ盛りが出てきたが…酔わない。
勢いづいて「呼んでちょうだいな」といったら舞妓さんが二人。子供が一人現れた。子供はどっかで見たような…。
「あ゛(嫁だ!)」っと云ったきりで二の句がでない。端から、「おとぅさん」と云われてしまった。
「なんでやねん」
「赤紙、見つけました。問い合わせ先電話番号が書いてあったのでかけたら
***にかかったの。怪しいから問い詰めたら、白状したわ。だったら
外人が乗っているはずなので役に立つと売り込んだらOKだって。
娘はどうするのと聞いたら「ご一緒に」っていうから。でも、この衣装綺麗でしょ。」
横を見るとさっきの女だ。スケジュール表を広げて三人と話し込んでいる。魚群探知機がどうのエンタープライズ号の生体反応探知機がどうのと話している。
どうでもよくなって隣の部屋でねっころがった。
目が覚めた。腕時計を見ると午前3時。いい頃合である。
横には、娘と嫁がすやすや寝ている。
ひざがちょっと痛むので見ると「寝返りかかと落とし」を食らったらしい。
抜け出して降りていくと番頭が現れ夜釣りの3人組は出立したそうな。
早飛脚が荷物を持ってきて医王寺に運んであると云う。寝込んでいた青年を起こして医王寺に向かう。
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Posted at
2007/09/10 21:57:08
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