

今日で,交通違反から丸2年が経った。
交通違反の点数制度というのは,コーヒー以上に味わい深い。
1年間,無事故無違反ならば累積点数はリセットされる。
そして,さらに1年,通算2年経つと意味が変わる。
その後に3点以内の違反なら,1年待たずとも3ヶ月でチャラになるのだ。
携帯電話の料金プラン並みに解りづらいが…
すなわち,1年だと仮釈放だが,2年なら社会復帰ということだ。
そんな長い更生生活の出発点になったのが,2年前の信号無視である。
信号無視と聞くと,赤信号を蛇行する田舎のヤンキーか…
映画ならば,カーチェイスで激突炎上シーンのときにやるやつである。
しかし,私のそれは違う。
もっと地味で間抜けな交通トラップだった。
信号が黄色から赤へ変わった。
私はアクセルを緩めながら,停止線を探す。
ところが───ない!
停止線が,ない。
いや正確にはあった。
ただし信号よりも,横断歩道よりも,ずっと手前だったのだ。
「普通,横断歩道の直前にあるだろー」
それに気づいた瞬間───
物陰から,大きな旗を振った警官が,笛を吹きながら飛び出してきた。
あんたらは,忍者か!
しかも交通課の。
私が切符を切られている間も,信号が変わるたびに次々と止められていく。
その光景は,なんというか───ゴキブリホイホイ。
この場合,ゴキブリ野郎は,罠に掛かった側なのか?掛ける側なのか?
私はその様子を眺めながら思った。
これは交通安全ではない。
定置網漁である。
しかも大漁。
あの日以来,私の認識は変わった。
停止線は,気づいたときにはもう遅い場所にあることがある。
そして今日,ついに違反から2年。
この2年は,停止線だけを見つめる人生だった。
ここまで来れば,私の黒歴史はかなり薄まったと言っていい。
だが,油断は禁物だ。
年度末になると,忍者警官がトリッキーな罠を仕掛けてくる。
物陰から,今か今かと,大漁旗をかかえながら…


今回の冬季オリンピックも,数々の感動が生まれた。
大逆転で金メダルを手にしたりくりゅうペアや,連日の大活躍で話題をさらった日本スノーボード陣。
そんな中に,スキージャンプ混合団体での高梨沙羅選手の銅メダルがある。
前回北京大会ではまさかの失格で,責任を感じ引退まで考えたという。
あれから4年,彼女は再びオリンピックの舞台に立ち雪辱を果たした。
その姿を見て,14年前のひな祭の日に書いた一篇の文章が,ふと脳裏によみがえった。

小学生のころ,真冬の朝礼で漏らすヤツがよくいた。
校長先生の話は長い。足踏み禁止。便所は遠い。
一瞬の快楽のあと,世界の終わりを迎える──あの感じ。
我家のセブンは,心臓病の検査でしばらく入院していた。
軽量がウリなのに,2ヶ月も長引くとなかなかヘビーである。
そんな最中に,クーラント漏れが発覚。
いわば,お漏らしだ。
あーやっぱ,いたよな,小学校の体育館でこういうヤツ。
みんなの白い息に混じって,足元からゆらゆらと湯気を立ち昇らせているヤツ。
幸いにも,保証期間内なので無償修理。
しかし,費用はかからないが,心は折れる。
いや,折れているのはクーラントの配管か?
だが,考えてみれば,たまたまタイミングが重なっただけだ。
たまたま入院していなければ,ドライブ先の公衆の面前でやらかしたかもしれない。
サービスエリアのど真ん中で,水たまりを作る英国紳士。
それはそれで芸風が強すぎる。
つまり今回の粗相は,いわば保健室のカーテンの中で起きた事故。
下校途中で耐え切れず,パンツを濡らさなかっただけ,むしろ優等生なのかもしれない。
そう思うことにする。
いつかは私も,介護施設の廊下で静かに湯気を立てる日が来るだろう。
そのときは誰か,保証期間内と言ってくれ。

札幌冬季オリンピック(1972)で表彰台を独占して以来,スキージャンプはもはや日本のお家芸。
最近ではスノーボード・フリースタイルもそれに加わり,日本は空を飛ぶ競技にやたら強い。
だが,あれは優雅に見えて,実態は重力に全力で抵抗している競技だ。
空を飛んでいるというよりも,落ちるのを先延ばしにしているだけとも言える。
雪面は綿菓子に見えるが,普通に固い。
着地に失敗した瞬間,万有引力は一切の例外を認めない事を知る。
常に恐怖との戦いなのだ。
ところが,恐怖に限って言えば,リュージュやスケルトンのソリ競技はさらに上をいく。
一見,ソリの上で昼寝しているように見えるが───
無呼吸症候群になるぐらいに恐ろしい。
速度はスキージャンプの1・5倍で150キロ。
しかもシートベルトなし。掴んでいるだけ。
景色は流れるというより,ワープ航法で瞬間移動中。
つまり,命がけの「超高速流しそうめん人間版」である。
その上,ハンドルもブレーキもないのに運転しなければならない。
肩や腰を動かし,もぞもぞしながら重心移動で板をしならせ方向操舵する。
減速したいときは,頭を起こし空気抵抗を利用したり,足を出す。
つまり,寝たまま命の微調整。
すぐ足が攣(つ)ったり,腰痛持ちには,あまりに覚悟が必要な乗り物だ。
もしも陪審員のように無作為でオリンピック出場に選出されても,全力で辞退する。
安全第一である。
───しかし
同じソリ競技でもボブスレーなら,どことなくセブンに似ている。
いや,タイヤを外した瞬間,ボブスレーだ。
屋根なし,ドアなし,電子制御なしときている。
疾走すると風圧と寒風で顔がゆがむからヘルメット着用。(建て前は安全確保)
つまり私は,日ごろから氷がないだけのボブスレーにソロ参戦し…
首都高で命を削っている。
なお,金(かね)は取られるが,メダルは取れない。

朝食のビュッフェは,和洋中と目移りする───
寝起きの脳に迫られた取捨選択だ。
料理を欲張り過ぎると,トレーの上はテトリス状態。
ホテルの朝食会場でのことだ。
さてカレーも食べたいが,もうトレーは満席,ボウルも載せられない。
見ると,つい取ってしまったドーナツが,一人で小皿を占領している。
それで───
上から掛けた。
…カレードーナツ,もはや妥協の産物。
視線を感じて振り向くと…
順番を待っていた小学生の女の子が,目を真ん丸くしてこっちを見ていた。
まさに犯行現場を目撃してしまったような目つきだ。
私は何も言わない。女の子も何も言わない。
ただスパイシーな香りだけが二人を包んでいた。
ほどなくして,彼女は弟を連れて犯行現場に戻った。
そして,ドヤ顔でコーンポタージュのふたを開けると,堂々とドーナツに掛けてみせた。
弟は,あわてた。
「いけないんだよー」
絶対にお母さんにチクってやるといった口調だった。
だが,姉は動じない。
すでに彼女は,お母さんより年上である私の一部始終を見ている。
弟の言葉はスルーして「あんたもやってみな」と促した。
その瞬間,私の脳は目覚めた。
自由とは好き勝手のことではない。
自らの発想で,常識に抗うことなのだ。
子供は,大人を見て成長する。
そんなことを考えながら,カレードーナツを口に運んだ。
…意外と,悪くない。
そして,意気揚々と座席に戻る姉弟を見送りながら───
コンポタドーナツも試したくなるのだった。
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