
ライターの西川淳氏が発起人であり、雑誌Octaneが主催するシリーズ座談会「Octane名車研究」、その4回目である「マクラーレンF1×GMA T.50」の会が開催され、事前申し込みでの抽選に当たったので参加してきました。
今回は特に応募者多数だったらしく、急遽午前と午後の二回開催になりました。抽選が純粋に無作為なのか、恣意的なモノなのかは知る由もありません・・・
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場所は千葉県富津にある「PROSLINK」。今まで存在すら知りませんでしたが、車両販売や敷地内ガレージにおける車両保管サービス、レース参戦など多様なサービス・活動をしている会社らしいです。
そこがGMA・「ゴードンマレー オートモーティブ」の日本における代理店・アジア唯一のサービスセンターとのこと。
ちょっと早く受付をすると、会場にはアンヴェールを待つ2台が・・・全体のフォルムが良く似ているのがわかります。
MCは西川氏と、マクラーレンF1の開発から日本への導入まで携わった安川 実氏のお二人。特に安川氏からは、ロンデニス氏の人柄や当時のエピソードトークなど貴重なお話をたくさんお聞きすることができました。
「20世紀最高のクルマ」を目標に開発されたマクラーレンF1。
30年の時を経て、マレー氏が再び自身が考える最高のロードカーを追及して生まれたT.50。
F1の詳細やレーシングヒストリーは皆さんご存じの通り。今や伝説となり、その存在は当時よりさらに評価・価値が上がっている名車です。

※当初、エンジンはホンダにV10の供給を打診したそうですが、物別れになりBMWの12気筒になったそうです。
シート周りのスイッチや各ペダルを見ても、造りが精緻なのが分かります。同年代のフェラーリなど比べ物になりませんね。
シート裏に、ルーフ上からEgルームへ空気を送るダクトが見えますが、スロットルを踏み込むと(BMW提供のV12のサウンドもさることながら)独特の吸気系の音が響くそうです。
ヨンゴーの17インチ、ブレーキなどには時代を感じます
その生産台数はわずかに64台(通常モデル)。当時は安川氏の尽力により日本にそのうち18台もが導入されたものの、現在国内に残っているのは3台のみ、とのこと。取引相場については・・・気になる方は調べてみてください(笑)
T.50もそうですが、この整然とした感じからも拘りが伝わってきます。
以前から福野礼一郎氏の解説などを読み、その素性を知れば知るほど現実に誕生したのは奇跡とすら思えるT.50。どうしても実車をこの目で間近で見てみたかったので、今回ダメ元で応募しました。
12000まで回るNA/V12エンジンをミッドシップ。MT(!)。コンパクトなボディサイズは4352×1850×1164mm。ホイールベースは2700mm。重量はわずか997kg・・・実に1t切りです。
クルマの設計・メカニズム等について詳しい方ほど、(特に安全性の担保も求められる現代において)これを実現するのがいかに途方もないことかが分かると思います。ワタシもコンセプト発表当初は、結果的にかつてF1の車重が1140kgになったように、車重だけはクリアできないのではないか、と思っていました。まさか実現するとは・・・
全体のフォルムが似ていることや、「ドライバーがセンターに座る~ロードカーとしての利便性から両サイドにパッセンジャーシートを設け、結果として3シーターになる」「サイドに生まれたデッドスペースを荷室とする」「極限まで軽量化にこだわる」など、多くの共通点があるのは「マクラーレンF1を再構築したから」ではなく、結果的にこうなるしかない、つまりマレー氏の理想をパッケージ化すると正解はひとつしかない、ということですね。
マレー氏設計のF1マシン、ブラバムBT46”ファンカー”を想起させる大きなファンがリア中央にあるのが特徴的ですが、ダウンフォースを得るための理論やメカニズムはそれとは違っており、「仮想ロングテール」により空力特性をコントロールするシステムです。
「最高速、ニュルのラップタイム、0-100km加速等々、それらの数字に全く興味はない」「重い車は造らない」などロードカーに関する独自の理想が明確で、それがずっとブレずに変わらないマレー氏。あくまで「氏の考えうる最高のドライビング・エクスペリエンスを体験できる」車を1mmの妥協なく突き詰め具現化したのがこの2台ということです。
バッテリーも限界まで軽量化しているので、電装品の後付けは禁止。フロントリフターは論外(笑)、ETCですら「それは絶対必要か?」と渋られた上に、専用のハーネスを作製したそうです。
見えないほど低く搭載されるコスワース謹製V12ユニット
カーボン製ドライバーズシートはわずか7kg、パッセンジャーズシートにいたってはほんの3kg。
左側はフロアがフラットになったので、乗降性はかなりアップしたそうです。
カタログや注文書など、貴重な資料も手に取って拝見できました。
その誕生までのプロセス・設計理念、前述したスペック・・・どんなドライビングプレジャーを感じられるのか??興味津々です。その「乗ってみたい」度合いは、例えば個人的にはF80ですら比較になりません。(ちなみにyou tubeでは海外で試乗している動画が見られます。12000まで回した際の痺れるサウンドだけでため息モノですよ・・・)

唯一、デザインが気になったのはこのサイドミラー代わりのカメラですね(^_^;)
全てのメーカーはもちろん、こんなクルマを理想とし、実際に作ってしまうような人物は他にいませんから、時代や氏の年齢を考慮すると今後同じような作品が誕生することはないかもしれません。(繰り返しますが、今ですら奇跡みたいなものです)
また、改めて氏の、レース屋時代から現在にいたるまでの仕事や理想のロードカーに対する考え方、そして生み出されたクルマたちを知り、深く感銘を受けました。
今回、貴重な機会を設けて下さった方たちには感謝しきりです。今後も興味あるテーマの「名車研究」が開催されるようでしたら、抽選に応募したいと思います~
Posted at 2026/02/08 20:06:07 | |
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