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2015/08/12

LED電球の設計方法-LEDドライバー編

カテゴリ : 外装 > ランプ、レンズ > LED化

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LEDドライバとは、LEDを点灯するための駆動装置のこと。

光源用途ではパワーが大きいので、安全で電力効率の良い駆動が求められます。
このために開発された専用ICがLEDドライバです。

専用ICを使用することによって、素人でも電流の大きなLEDが扱いやすくなっています。

LEDドライバーの基本的な内容を押さえていきます。
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LEDの光量は電流にほぼ比例します
オンの領域では僅かな電圧上昇で電流が急激に増加します
また、特性は温度による変化を伴います。

こうした負荷に対しては通常の定電圧源は適合せず、電流を一定に保つように電圧が制御される定電流源による駆動を必要とします。

それが、LEDドライバーなのです。
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LEDドライバー専用ICのCL6807です。
とても小さなICですが、これで1000mA(1A)程度の電流を制御できます。

以下に、このCL6807のデータシートの図を元に動作原理を説明します。
この緻密な制御をこんな小さなICで、しかも1個40円程度の価格で行えるのですから技術の進歩はすごいものです。
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回路の基本はDC-DCコンバータです。
この回路では、電源電圧がLED駆動電圧より高いので、降圧型DC-DCコンバータ回路が基本になっています。


電流監視抵抗Rs(0.1Ω)が配備され、そこにかかる電圧が一定になる(流れる電流が一定になる)ようにICで制御されます。

電流量が多くなる(電流監視抵抗の電圧が高くなる)とスイッチLXをオフにし電流を止めます。
電流が少ない(電流監視抵抗の電圧が低い)とスイッチLXをオンにして電流を流します。
これをごく短い時間で繰り返し、ほぼ一定の電流になるよう調整しているのです。
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ICの中身の動作を調べます。
電流監視抵抗RsとVinの電位差を電流監視コンパーレータに送られそのデータがFETの制御に送られます。
IC内の基準電圧とVinの電圧が比較され、そのデータがFETの制御に送られます。
ADJからは、オン・オフや光量の制御データがFETの制御に送られます。
これらのデータを基に、LXにつながるFETのオン時間の制御を行っています。
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5.の回路例と、6.のICブロック図を一つにまとめてみました。
全体の動きが分かりやすいのではないかと思います。

電流監視抵抗Rsの電圧や電源電圧Vinの電圧を基準に、LXにつながるFETを細かくオン・オフを行うことで回路に流れる電流を制御しているのです。
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このように、オン・オフで制御しているので、理論的にはロスがなく、発熱もないということになります。
抵抗や定電流ダイオードで電流を制御しているときは、すべて熱として放出していたので、それに比べればはるかに効率が良くなっています。
オン・オフによる制御(デジタル制御)についてはPWM編で書いているので見てください。

「LED電球の設計方法-PWM編」
http://minkara.carview.co.jp/userid/2460000/car/1987570/3335082/note.aspx
8
LEDドライバは、出来上がった1部品として販売されていますので、それを利用するのが手軽です。
目的に応じて選択すればよいところまで、製品も多く便利にできています。

写真は、パワーLED 3W型 と それを駆動するためのLEDドライバです。

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