自殺者＞死者行方不明者

　先月は俳優、今月はグラビアアイドルが自殺を遂げた。

　
　地震に潰え津波に沈んだ人々の無念は察するに余りあり、決して未曾有の大災害に因る被害を矮小化するつもりはない。
　しかし、震災での死者行方不明者を上回る3万人もの人々が毎年自ら命を絶ち、この国の至る所に浮かばれない魂が彷徨っている。


　3年前の今日、地方勤務時代の上司が自宅で自殺。しかも奥様を道連れにしてしまった。
　高校・大学の先輩だったこともあり、公私にわたりお世話になった人だった。

　遡ること10年前の初秋。同じ上司の許で仕事をした、私とって最初の後輩だった職員が、出張先で自殺。いろいろ悩みはあったようだが、結局原因は判らなかった。



　前にも書いたが、私は「冥福」という言葉が嫌いだ。
　だから、あの世で幸せになる前に、この世をもっと楽しんでほしかった。
　もっと一緒に酒を呑み、バカ騒ぎしたかった。


　考えても仕方がないことを承知で、何か自分にできることがなかったのか、悩みを聞いてあげる機会はなかったのか、もしかしたら自分が引き金を引いてしまったのではないか等々、遺された者は悩み続ける。それが新たな自殺者を生むことだってあろう。

　もし今この瞬間にも自殺を考えている人がいたら、絶対に思い止めて欲しい。
　死にたいほど悩んでいることは、よくわかる。でも、遺された人も同じか、それ以上に悩み苦しむことになる。



　東日本大震災からの復興に十分注力するのは当然として、同じように自殺者対策にも更に本腰を入れ取り組む必要があるのではないか。
　震災や原発事故に関連した自死も報道されている。
　生き延びた命を無駄に失うことのないよう、行動していかなければならない。