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2011年10月28日

撤退

撤退

 東急車輛製造㈱のニュースリリース『会社分割(吸収分割)および事業譲渡に関するお知らせ』に注目。

 報道ではなく、同僚から文書を見せられて知った。
 勤務先に絡むのは、新明和工業に譲渡される立体駐車場と特装車の事業だが、個人的にはやはり鉄道車輌事業の行方。譲渡先は最大の需要家でもあるJR東日本とのこと。

 
 東急車輛製造は、米Budd社のライセンス生産から始まったステンレス製車輌の製造を、スーパーコンピュータを応用した綿密詳細な構造解析に基づく軽量ステンレス構造に進化させたメーカー。
 国内各社もステンレス車輌を製造するが、それは旧国鉄がステンレス製の電車を本格導入するに当たり各社から公平に調達しなければならないため、強制的に東急のノウハウを公開させたから可能になったことで、全て東急車輛の技術の延長線上にある。
 言わば「恩師」でもあるBudd社は既に車輌製造事業から撤退。国内のみならず世界に伍して競争してきた東急の独自技術によるステンレス車輌製造も、市場の縮小や材料費始めコスト高騰による採算悪化には抗えなかったようだ。

 製作した車輌があまりに優秀すぎて、自ら首を絞めてしまった面も否めない。
 オールステンレス車黎明期の傑作、東急7000系(現7700系)や京王3000系は、半世紀近く経た今でも未だ現役で活躍している。余剰となっても、地方私鉄に売却され重宝されている。
 鋼製車であればとっくにリプレイスされ、車輌新製の需要が生まれていたかもしれない。



 JR東日本は東急車輛から、「新津車両製作所」設立に際して技術協力を受けているので、事業の引受け手として最も適切な立ち位置にいるとは思うが、現在生産しているのは自社の通勤形車輌と、その派生形式(東京都・相鉄・小田急)のみ。
 特急形や外国向け車両、JR貨物向けのコンテナ製造も、JR東日本で手がけるようになるのだろうか。ある程度取捨選択されてしまうのだろうか。

 官民挙げて鉄道技術の海外輸出を目指していることを考えれば、自社・連結子会社での車輌の一貫生産体制は、技術の一体性保持と輸出に際してのコストダウン・利益確保に資する。
 新幹線技術ばかりがクローズアップされているが、私たちの日ごろの生活を省みても、新幹線が移動需要の全てではない。
 狭いゲージにヨーロッパ並みのサイズの車体を載せ、時速100キロを超える高速で高密度の運転ができる日本の在来線技術だって、世界に誇る最高水準の技術だ。
 どんなスペックの鉄道でもいい。日本の技術が活きる輸出を成功させてほしいものだ。


 趣味的には、このところの新しい電車は規格品ばかりになり、面白みを喪っているように思う。
 JR東日本の下、新会社が魅力的な新車輌を開発・生産できるか。目が離せない。












ブログ一覧 | 鉄道 | 日記
Posted at 2011/10/29 06:01:42

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この記事へのコメント

2011年10月29日 8:26
新明和といって思い出すのは、飛行艇。
とても優秀な飛行機だけど、採用しているのは日本だけ。
修理があると、大阪湾に、着水して、工場へ。

大本は、二式大艇からになるが、
だいぶ前までは、東京でも、見ることが出来たが、今は、鹿児島で余生を過ごしている。二式大艇以外にも、零戦も、室内に展示してあります。
遠いですけど、いかがですか?
コメントへの返答
2011年10月29日 9:18



おはようございます。

 旧川西航空機ですね。連綿と飛行艇を手掛けています。
 武器輸出三原則がありますからね、軍用機としてはダメ。かといって民生転換しても需要があるかどうか。確かに優秀な機体だけに惜しいです。

 二式大艇は、お台場から鹿屋に移ったんですねぇ。知覧は行ったことがありますが、もう一度子どもと行ってみたいです。
 




2011年10月29日 11:10
このニュース知りませんでした。

鉄道車両業界も再編が進みますね。

富士重工+新潟鉄工所=新潟トランシス
日本車輌製造のJR東海グループ化
に続く大きなニュースですかね。

好むと好まざるとに関わらず、ライバルが日本メーカーでなく世界の企業になってきている以上仕方ないのかもしれません。

大きな動きがないのは大手重電くらい?
こちらも水面下で動いているのかもしれませんね。
コメントへの返答
2011年10月29日 16:45


 こんにちは。
 私のブログでお知らせできて光栄です(^^)v。
 
 成熟した産業の行く末はどこも同じで、再編・集約の果てに衰退・滅亡、よくて国外移転ですかね。
 数十年後には「○○車輛公司」になっていたりして。


 東急側の選択肢としては、もしJR東日本との義理がなければ、ボンバルディア辺りに売却する線もアリだったのかも。だとすれば、JRは上手いこと鉄道技術の海外流失を阻止できたことになります。


 重電・重工業系も、このあいだ誤報?フライング?という報道がありましたが、種火は燻っているでしょう、間違いなく。



2011年10月29日 12:19
ビックリなニュースですね。

逗子の工場はいづれ閉鎖でしょうか?
それとも、私鉄や輸出向けの工場として残るのかな?

個人的には、京急のN1000など18m車の行く末が気になります。

京急のN1000は、東急車輛製では珍しいアルミ製からコストダウンなのか?
ステンレスのE231ベースに切り替わりましたが、今後は新津でも18m車を
作るようになるのかもしれませんね。

東急車輛がJR東に譲渡されることは時代の流れからしてやむをえない気も
しますが、JR東に譲渡された後も地方に散らばった東急の車両達をフォローして
もらいたいものですね。

東急ならではの良さを残しつつ、新体制でも頑張ってもらいたいものです。
コメントへの返答
2011年10月29日 20:06


 こんばんは。
 はい、びっくりでした(笑)。

 逗子製作所の敷地は東急側が手放さないようなので、新会社もいずれ退去を求められるのかもしれません。

 さりとて新津車両製作所と統合するにしても、新津の敷地は市街地に囲まれていて拡張は難しそう。特急車やら私鉄向け18m車やらを製作する施設を最終的にどこに置くつもりなのかが見えません。


 コスト的には、イニシャルコストでもランニングコストでもアルミ車に劣るようなので、大量調達でコストダウンが図れる形式・車種に特化して受注するのが最も利益になるとは思いますが、それでは個性が・・・というはなしですね(苦笑)

 旧東急車のメンテナンスも、段階的に縮小していって、いよいよダメになったところで「これいかがすか?」って新車の営業をしたりして。


 それにしても、土地が伴わない事業譲渡とはいえ、売却額65億円。JR東日本はいい買い物をしました。
 新幹線車両が1両2億円平均として、東海道の16両編成で32億円。2編成分ちょっとの値段で製作設備とノウハウを手にしたのですから。

 それに引換え、100億円をカジノに使ったバカ息子(以下自主規制)






プロフィール

「育児 http://cvw.jp/b/1043160/47663127/
何シテル?   04/18 19:29
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