再現

　時事通信の配信記事『きかんしゃトーマスが走る＝大井川鉄道が公開－静岡県』に注目。

　私の鉄道好きの原点、そして永遠のアイドル、我が子たちも大好きな｢機関車トーマス｣がリアルに走行する、というお話(森本レオ調でww)。




　まずまずいい感じで再現されているが、決定的に違うのはシリンダーを始めとする駆動系の配置。本物の｢トーマス｣はインサイド・シリンダー方式で、シリンダー本体やロッド類の多くが動輪の内側に配置されており、外観が非常にすっきりしている。
　一方、今回の再現で改造母体に選定された日本のC11型は、狭軌用の機関車ゆえにスペースの都合上｢トーマス｣と同じ構造は採用し得ず、メカニカルなロッド類を含めシリンダー装置一式が外側に配置されたアウトサイド・シリンダー方式となっている。

　大井川鉄道の｢トーマス｣は、このシリンダー外装部分を鮮やかなブルーで塗り潰してしまったようだが、ここは元の黒塗装を残し、ロッド類は本物の｢トーマス｣でも外側配置となっているコネクティングロッド(主連棒)以外は目立たないように工夫すべきだったかもしれない。


　また個人的には本線の急行列車・高速貨物列車牽引を担当する大型機関車｢ゴードン｣｢ヘンリー｣の方が好きなので、彼らの再現も望みたいところだが残念ながら適当な改造母体が見当たらず、こちらの期待は取り下げざるを得ないだろう。
　とは言え細かい点に目を瞑れば、十分「トーマス」の任をこなすに値する出来栄え。夏休み中の大活躍を期待したい。



　大井川鉄道は先月開かれた株主総会において、列車本数削減などの経営合理化策に対し｢ますますジリ貧状態に陥る｣と株主から批判されたことが報じられ、地方鉄道のご多分に漏れず経営状態は厳しいようだ。
　ここは｢機関車トーマス｣を起爆剤に、観光客を増やして利益を上積みし活性化できるよう、尽力してもらいたいものだ。