偽装

　全国紙・読売新聞のニュースサイト｢YOMIURI ONLNE｣の配信記事『セ号運航会社オーナー遺体確認、外傷なく服毒か』に注目。




　私の永遠の仙台土産『ゴールデンスランバー』のハイライトシーン。

　首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公・青柳(堺雅人)は、無実を訴えるべくテレビ局に公開中継を依頼。仙台中心部の勾当台公園野外ホールに姿を現した。

　迎える警察官僚・佐々木(香川照之)は、強制的にテレビ中継を切断、青柳の狙撃を命じる。
　万事休すかと思われた刹那、仙台の街中に友人が仕掛けた打ち上げ花火が揚がる。狙撃手や捜査員が一瞬目を逸らした隙に、これまた友人が蓋を軽い樹脂製にすり替えたマンホールから、青柳は下水道に逃げ込む。

　佐々木は、ターゲットが一瞬にして姿を消し狼狽するが、直ぐに足元のマンホール蓋がずれているのに気付き、マンホールのステップを降りる青柳を現認。サイレンサーを装着した拳銃で射殺する。


　マンホールの底部に墜落する青柳。しかし佐々木が僅かに目を離した瞬間に、一命を取り留めた青柳は再び姿を消した。
　そこに現れた宮城県警本部長(竜雷太)は、管轄内で勝手な捜査を繰り返す佐々木に対し、皮肉を込めてこう言い放つ。

　｢本物の青柳、でしたか？｣



　
　｢ゴールデンスランバー｣においては、明確に首相暗殺の真犯人、もしくは黒幕は提示されない。
　ただし、首相暗殺事件そのものは青柳の死体、とされるものが海から発見され、一応の解決をみることになる…………。





　さて韓国の事件。
　安全であるべき大型旅客船を無為に沈めてしまうような偽装・インチキが罷り通る国である。
　オーナーの死体、とやらも｢本物、でしたか？｣と疑いたくなる。


　本人確認に困難を来すほどに腐敗が進み、DNA鑑定でようやく身元が判明する状態にまで放置された死体。
　真相解明を邪魔する意図で、何者かの息がかかった警察が敢えて放置し、捜査を遅らせたのではないか。
　DNA鑑定とてサンプルをすり換えてしまえば、背格好が似ている別人を「会長」に偽装できよう。


　死亡に至る背景も、果たして単純に｢逃げ切れないと悟っての服毒自殺｣だったのか。

　率いていた宗教団体組織を護持し、乗っ取らんと企む勢力による暗殺？。
　会長に全ての責任を押しつけ、葬り去りたい権力者の手先が自殺を強要？。
　或いは身代わりを｢腐乱死体｣に仕立て、会長本人は別人に成り替わり海外逃亡？。

　まだまだ解明すべき闇が深い事件だ。
　改めて検証が必要なように思う。



　韓国国民全体が、偽装に巻き込まれ命を脅かされる｢青柳｣を演じているのだとしたら、極めて不幸なドラマである。