万引

　地方紙・福井新聞が運営するニュースサイト｢FUKUISHIMBUN ONLINE｣の配信記事『万引き止められぬ高齢者の実情　福井の摘発数は未成年超える４割』および関連する記事として、全国紙・読売新聞が運営するニュースサイト「YOMIURI ONLINE」の配信記事『アイス万引き、ナイフで店長脅し逃走した８１歳』に注目。


　「最近の若い者は……」の常套句を逆手に取り、腹に据えかねる団塊世代を中心とした醜い老人の悪行を、弊サイトでは度々告発してきたが、記事で報じられた事件の当事者は「単なる悪者」「度しがたい愚か者」と切り捨てられそうもない。

　プロの窃盗犯は､犯行を見咎められたら黙って一目散に逃げる。追っ手と対峙して刃物を見せたり、「ぶっ殺す」などと口走ったら、強盗罪で裁かれることになり格段に刑罰が重くなることを知っているからだ。

　他方記事の事件は、そもそも善悪の判断力すら怪しい老人が、欲望のままに物品を掠め盗っているように見える。追われた際に刃物を握っていれば刑の軽重など考えず、それこそナチュラルに抵抗手段として振り回すのは想像に難くない。

　以前記事にした「触法障害者」の問題とも通底する。福祉や精神医療の領域から力添えを得なければ、解決は難しかろう。


　マナーを弁えない、迷惑かつ不快な老人も、犯罪者ではないものの境界領域を彷徨っているのだと思えば、理解し易い。
　老親が他者とフリクションを多発させていることに、家族が早い段階で気付けば、痴呆の深刻化・反社会的行為の末の逮捕および起訴を、未然に防げるかもしれない。

　また、「アイス強盗」は自転車で逃げたようだが、これがクルマだったらどうなっていたか。
　追い縋る店員を轢殺、無謀な逃走で轢き逃げ・当て逃げを繰り返し、多数の死傷者がでた可能性を否定し得ない。
　クルマを凶器化させないよう、一定以上のショックや車体の変形を感知したら、エンジンを強制的に止めるデヴァイスの開発を是非ともお願いしたい。