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　全国紙・産経新聞が運営するニュースサイト「産経ニュース」の配信記事から『【大阪ダブル選】投票管理者の「ご苦労さんです」に激高　「机の角を脳天に突き刺すぞ！」　会社員を逮捕』に失笑す。


　私も日本語の用法に敏感な人間なので、自身が仕えているわけでもない相手から「ご苦労様です」と言い放たれれば、違和感を覚えぬでもない。

　男から殴打された「選挙管理者」とは選挙ごとに選任される臨時の公職で、恐らくは｢地元の名士｣的な人物か、時間的余裕の大きい高齢者が就くことが多いのだろう。
　中には「頼まれたからやってやってんだ」という上から目線を隠しようがなかったり、サービス業に範を求める昨今の行政対応に馴染まない古い人間が、「選挙管理者」として参画することだって考えられる。


　しかし50にも達しない愚かな男と、記事では70代とされる選挙管理者とでは、長幼の差が余りに大きい。「ご苦労様」は不適切だったかもしれないが、逆に遙か年下の男から罵倒され殴られるような立場でもない。

　所詮はバカな中年男が、聞き齧りの知識で勝手に怒りを増幅させ、愚行を為したということか。




　前世紀のこと。
　所用で海上自衛隊の施設を訪問した際に、対応した門番の若い自衛官が発した言葉に驚き、呆れた。

　「私が仰ったように、そこへクルマを止めなさい」


　訪問者にして納税者に対し命令口調なのもどうかと思うが、そもそも敬語の使い方がおかしい。
　君は崇高な国防の任に就く前に、正確な日本語を学ぶべきだ……と失笑した。



　立場の如何・歳の長幼を問わず、言葉遣いに配慮が観られない・TPOを弁えない・そもそも用法を間違っている人間は多い。
　そういった人物に相対した際には

　「あぁこやつは、いい歳して正しい日本語を知らないのだな」
　「尊敬語と謙譲語の区別が付かないのに、上官とどうやって会話しているんだ？」

　と冷淡な反応をし、省みて自らも恥ずべき言葉遣いをしていないか。真摯に見直す機会とするのが、賢い大人の採るべきリアクションと考える。