雨後

　埼玉県にある我が家周辺は、明るくなっても暫く雨が降り続いていた。
　さて今日の東京六大学野球は中止かなぁと、連盟HPをまめに確認していたが、雨天中止の掲示はない。
　0800時過ぎの更新で第一試合・明治大対慶應大の試合開始が1100時予定と示され、連盟が決行と判断を下したのは判ったが、自宅を出発した段階でも小雨が降っており、少なからず不安を抱えながら都心方面行きの電車に乗った。


　ところが、不安は直ぐに解消された。
　自宅最寄り駅を出発して間もなく、学生服をまとった男性が乗って来た。
　神宮球場の応援席で見知った顔。そう、某大学応援団の幹部だ。

　彼が学生服で電車に乗っているということは、間違いなく試合は行われる。

　私はニコニコしながら、応援団幹部の彼は「どこかで見たオヤヂだなぁ」的な表情を浮かべながら、共に都心へ向かった。




　雨上がりの曇り空の下、時折り冷たい風が吹く悪コンディションの中でプレイボールとなった明慶戦。「おぼっちゃま」にはグラウンドが寒すぎたか、5回に慶應大内野陣が立て続けにエラーするなど守備の乱れに付け込まれ5失点、先発したファイターズ大谷の同級生小原(4年・花巻東)がノックアウトされてしまった。
　引き継いだサイドスロー亀井(3年・慶應高)も、明治大の5番打者佐野(4年・広陵高)にホームランを浴び1失点。三番手藤原(4年・慶應高)は全く体重が乗っておらず、肘から先だけで投げているようなピッチングでは早々明治大打線に捕まり、更に3失点。四番手清水(函館ラサール高)も最終盤で1失点して、合計10点を献上。

　一方の打線は、銅鑼の音も勇ましい「孔明」が鳴り響き、リーダー部幹部5名がステージに上がり一糸乱れぬテクで「ダッシュケイオウ」を演じてもなお奮起せず、明治大先発水野(3年・静岡高)のテンポ良い投球の前に、4安打無得点と完全に抑え込まれた。

　明慶戦は明治大の1勝1分となり、明日午後から第3戦が挙行される。



　雲が切れ、午後の陽射しが注ぐ状況でプレイボールとなった本日の第ニ試合、立教大対早稲田大の試合は、息詰まる投手戦。
　立教大の先発田村(4年・報徳学園高)は、早稲田大の強力打線を散発5安打・無失点に抑える一方、早稲田大の先発竹内(4年・松坂高)も2安打されたのみ。しかしそのうち1本が、立教大の6番打者大東(3年・長良高)の放ったソロホームランで、これが決勝点となり無念の敗戦投手に。
　
　立早戦は早稲田先発投手に代打(8回加藤：1年・早稲田実業高)が出て、9回から二番手小島(2年・浦和学院高)に代わっただけで、立教大は先発メンバーが一人として変わらないままゲームセットした。選手交代が相次ぎ、両校合わせて33名もの選手がフィールドに現われた明慶戦とは打って変わって、非常に引き締まったゲームとなった。

　立教大は早稲田大に連勝し、今シーズン初の勝ち点を得て優勝争いに踏みとどまった。



　今朝と異なり、明日は天候の心配をせずに観戦に出向けるだろう。ただし平日に時間を割ける人限定だが(笑)。

　青山・千駄ヶ谷・信濃町界隈にいらっしゃる野球ファンで、少しでも時間が空いたなら、再び明慶エースが激突し好ゲームが予想される第3戦の観戦を、是非ともお勧めしたい。