離反

　全国紙・読売新聞が運営するニュースサイト「YOMIURI ONLINE」の配信記事から『トランプ氏、挽回できず…下院議長も離反表明』に注目。





　他国の政治情景であるとはいえ、保守の劣化此処に極まれり、といったところである。

　共和党重鎮の下院議長は、極めて常識的な判断を下した……ように見えるが、何のことは無い。大統領選と同時実施される下院議員選挙(定数435の任期2年で、選挙は隔回で大統領選と重なる。重ならない回は「中間選挙」とも称される)で改選を控えており、我が身可愛さの変節と見ることもできる。

　ちなみに上院も1/3が改選(各州2名選出される定数100の任期6年で、選挙は下院議員選挙と同時実施)され、こちらはかつて大統領候補だったマケイン氏(現職オバマ大統領の1期目で対決)が選挙を控えており、やはりトランプ氏へ投票しない旨を表明している。


　トランプ氏がどんなに惨めな負け方をしようが、共和党のエスタブリッシュメントには「どこ吹く風」なのだろう。また共和党候補が大統領の座を取れなければ、有権者の絶妙なバランス感覚が働き、議会は共和党が多数を占められると踏んでいるのではないか。
　
　任期満了を迎える共和党出身の議員が、トランプ支持を継続する動機に乏しいのも当然である。


　
　もはや奇妙な毛を生やした、歩く男性器にしか見えない老コメディアンの下品な一発芸を、国際回線を使ってまで他国へ配信する必要はあるまい。
　良くも悪くも世界に影響を及ぼし、時に軍事的横暴を露呈する超大国のリーダー選びにおける茶番を、私はこれ以上看過できない。

　振り返って、我が国における保守の劣化を、リベラル志向の人間(＝私）はまだ笑って観ていられるが、そんな余裕もいつまで続くものやら。


　アメリカで新大統領の就任式が挙行される頃に、解散総選挙が実施されるとの噂が報じられる中、些か不安を覚える。