欠品

　先週支給された給与明細を確認し、プライヴェートを犠牲にした残業および休日出勤の対価が、総支給額の1/3近いことに気付いた私は、半ば衝動的に散財を決めてしまった。
　極めて高性能なパソコンの購入、である。
　年明けから、お年玉狙いの割引キャンペーンが展開されており、ダイレクト購入のサイトでオーダーを入れた。

　現在愛用しているＨＰ機・EliteBook 820も、当時としてはハイエンド寄りのグレードで、国内・海外への出張・旅行における酷使に耐えて、現在でも機能している。
　とは言え4年半を経て陳腐化は否めず、物理的にもエスケープキーが欠損して、ミスタイプした際の修正に支障を来す状態になってしまった。

　EliteBook 820にインストールされているwindows8は、パッド機能にも対応していて所謂「2in1」のマシンも選択可能だったが、まだまだ高価で、オーソドックスなノートブックPCで妥協せざるを得なかった。
　今回のチョイスでは、その際のリヴェンジを期して「2in1」のマシンを中心に機種選定を進めた。
　そして最終的に選んだのは「Elite x2 1013 G3 Tablet」。現在の愛用機と同じく、米軍調達基準（MIL-STD-810G）に適合するタフさを備えた、パッド機能を持つビジネス向けマシンである。


　決済後にオーダーが受け付けられ、正式受注のメールが届き、さて何時届くのかと思いきや、今日届いたメールは「ご注文の製品の欠品に関するご案内」と題されていた。
　オーダーがオーヴァーフローして、直近での納品はできない、という。



　EliteBook 820購入に際しては、ダイレクト購入サイトを経てはいるが、実はリアル店舗の販売員に相談して仕様を決めて貰っていた。
　それが今回は、完全に自己判断に基づくチョイス。果たして合理的な仕様選択だったものか、オーダーを入れてから若干ならず不安に苛まれていた。

　そのマシンがオーダー過多で欠品に陥ったということは、相当に人気を集めていたという証左である。
　納品遅れにがっかりしつつも、自分の選択が誤りでなかったことを確認できて、ホッとしたこともまた、事実である。



　ちなみに、高性能PCの代金を払ってなお、私の手元には時間外支給額が残る。
　安心して散財しつつも、プライヴェートを犠牲にして金銭を稼ぐ現状を、何とか変革したいものだと思うところだ。