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2011年05月30日 イイね!

「現場の機転」か?

「現場の機転」か? 一躍有名人となってしまった、福島第一原子力発電所の吉田所長。
 本社の言うことを聞かない頑固者との評価の一方で、壮絶な現場を指揮する強いリーダー像が伝えられるなど、毀誉褒貶が著しい。






 震災や原発事故の混乱が続く中、北海道で特急列車が火災で焼け落ちる事故があった。
 私の見立てでは、エンジンから台車に動力を伝達する推進軸が折損・落下し、一瞬棒高跳び状態になったか推進軸を踏むかして動軸が脱線、同時に燃料タンクを破壊して火災に至ったものと考えている。
 推進軸折損による事故は過去にも発生しており、検査体制はもちろん、部品そのものの欠陥も調べられよう。

 トンネル内の列車火災自体も、過去幾つか発生しているが、最も凄惨な事例が1972年の「北陸トンネル火災」だろう。北陸トンネルを通過中の夜行列車「きたぐに」食堂車から出火、乗客乗員に死者30名・負傷者700名余り。日本の鉄道史上でも稀に見る大事故である。
 防炎防火材質を用いていなかった車輌の燃え方が激しかった点もさることながら、乗務員が当時の国鉄の規定に従って燃え盛る列車を長大トンネル内で停車させてしまい、火炎で生じた停電の結果進むことも退くこともできなくなって被害を拡大させた点が問題とされ、事故の責任を巡って異例の長期裁判となっている。



 遡ること3年前、同じ北陸トンネル内で、やはり夜行列車「日本海」が火災を起こしていたのだが、そちらは凄惨な事故にならなかった。
 乗務員が、列車火災発生時には速やかに停車させる規定を無視。トンネルを脱してから停車のうえ、消火と乗客救助に向かったためだ。 
 起り得る結末を想像して機転を利かせた結果だが、当時の国鉄当局は規定を無視したこと自体を問題視。乗務員に対し処分を下した。

 現場の判断に取り合わず、機械的に処分を下した当局の硬直性も問題なのだが、もし「きたぐに」の乗務員の頭に、列車を止めなかったことに因り下された処分のことが浮かんで列車を止めたのであれば、国鉄当局は間接的に事故を幇助したことになる。

 「北陸トンネル事故」の裁判は、1980年に判決が確定。乗務員は無罪とされたほか、被害拡大の間接的原因となった、列車を無条件に停車させる規定を放置した国鉄当局の責任も問われなかった。
 僅かに救いがあったとすれば北陸トンネル事故以降、鉄道車輌の火災対策が劇的に改善されたこと、長大トンネル内では列車を停車させず走り抜けるよう規定を改めたこと、旧規定を無視して乗客を救った「日本海」の乗務員に下された処分が撤回されたことである。


(以下翌日に続く)




Posted at 2011/05/30 07:12:24 | コメント(1) | トラックバック(0) | オピニオン | 日記

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