midnightbluelynxのブログ一覧

　都心の古い地下鉄の階段は狭く、利用客は恒常的に左側一列に並んで進まなければならない。
　朝の混雑する時間帯は、地下コンコースどころか改札口近くまで詰まってしまうことがあるが、多くの人は辛抱強く列を為し整然とゆっくり歩を進める。


　ある朝、初老の男が、列の存在を全く無視して右側を登っていった。
　遅刻しそうなサラリーマンやOLさんが右側を駆け上がっていくのはよくあることなので、この男もその口かと思いきや、違った。
　地上で追いついたら、条例で喫煙が禁止されている路上で、堂々と歩き煙草をしていたのだ。

　浅ましい欲求のために、マナーもルールもお構いなしとはこの男、ここまでどんな人生を歩んできたものか。
　見苦しいことこの上ない。


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　駅のエスカレーターで、右側を歩いて登っていたら、左側に立っている高校生の足下に目が行った。
　特段不良っぽくもなく、普通の身形。この時期だから上着は身に付けていないが、ズボンが極端に太かったり、いわゆる「ハミパン」状態で履いている訳ではない。髪型は夏休み前に刈った頭が伸びた感じで、むしろ野暮ったく突っ張った印象は皆無。

　しかし革靴の踵を踏み潰し、エスカレーターを降りるとパッカパッカ音をたてて歩いている。


　革靴に限らず、靴は踵を潰して履くものではない。
　君のその靴は、恐らく君自身が買ったものではなく、ご両親または保護者の方から贈られたものだろう。
　君の行動のどこに、贈り主に対する有り難味や感謝が顕れているのだろうか。

　君自身を縛りつける存在に対する、ささやかな抵抗のつもりか。
　学校のルールに従えないのなら、辞めればよい。
　学校という小さな世界でルールに護られている気楽さと、ルールなど無きが如き世の中で自らを律していく苦難を思い知るだろう。

　平然と列を乱し、他者の迷惑を顧みず煙草を吹かすような愚かな大人と対峙しながら生き抜いていくためには、自らを厳しく律することのできる人間でなければならない。
　靴を普通に履くことすらできない君には、まだ無理だ。


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　夕方のラッシュ時間帯。
　一人の女性が駆け込み乗車をしてドアに挟まれた。
　それだけなら周囲の失笑を買う、軽率な大人のマヌケな行動でしかないが、私は目を疑った。

　明らかに妊婦さんである。
　単なる太った女性で無い証拠に、肩から下がるカバンには｢マタニティーマーク｣のピンク色のバッジが付いていた。


　転んだり、扉が強く腹部に当たったりしてお腹の子どもに影響したらどうするつもりだったのか。
　マタニティーマークを付けているくらいだから、望まない妊娠をしたわけではなかろう。
　新しい命を待ち望むパートナーや親族に、申し開きできるのか。


　通りすがりの人に火傷を負わせたり、失明させる危険がある路上喫煙を止められないク○爺や、踵を潰して歩くバ○丸出しの高校生をこれ以上増やさないためには、親の指導や教育が重要なはず。
　しかし大切な子を宿している妊婦としての自覚が無い母親に、産まれた子に対する教育など絶望的だ。

　　
　親の自覚無き者に育てられる子は不幸である。
　各位に猛省を促したい。