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2012年10月22日 イイね!

後押

後押 今日の通勤のお供は「鉄道ファン」および「RMM」(共に2012年12月号)。

 「鉄道ファン」誌の巻頭特集は復原なった東京駅(中央停車場)。一方の「RMM」誌は「珍車もいっぱい!貨物列車で遊ぼう!!」と銘打った貨物輸送特集。両誌とも読み応えのあるコンテンツ。


 先だって弊ブログで触れた河合商会の破産は、当然に記事締切後のため「RMM」誌上では一切触れられていない。
 さりとて河合商会の広告出稿もなく、ざっと読んだ限りでは貨物輸送特集の改造種車として登場している程度。
 豊富な国鉄貨車の商品展開は、もはや「模型界のインフラ」に昇華し空気のような当たり前の存在になってしまっているのだろうか。それともただ単に新鮮味を喪ってしまっただけなのか。


 「鉄道ファン」誌のほうは、巻頭特集に続き、私の好きな機関車の小特集が3本。

〇気になる国鉄形電機~ED79・75編
 青函トンネルの新幹線開業を控えたED79と、復旧関連の工臨・配給列車の牽引に忙しい東北地区のED75、そして常磐線で津波に遭遇し立ち往生したED75-1039号機のその後について記載。

〇形式EF58②つらら切りものがたり
 名機EF58の、つらら切りに限定しての特集。目新しい話題はないが、懐かしい機関車の画像がてんこ盛りなのは、やはり嬉しい。

〇セノハチの後押し機関車
 山陽本線の難所、西の箱根とも称される瀬野~八本松間の急勾配区間で、後押し機関車として活躍した各形式の解説記事。蒸気機関車の時代から、最新のEF510-300番台まで一挙に扱っている。



 セノハチの蒸気機関車時代は私が生まれる前に終わっており、電化後に活躍したEF59も、私が広島で暮らした20世紀末には全機退役していて保存機しか見ていない。だが私がイメージするセノハチとは、どうしてもEF59重連なのである。
 戦前の名機たちが戦後生まれの最新鋭機関車を手伝って後押しする様は、一線から退いても若者の働きを優しく見守り、時に厳しく一喝する気迫を備えたベテラン職員を見るようで頼もしかった。


 しかし、EF59形24両・並行して活躍したEF61-200形8両の総数32両もの後押し機関車が屯した時代が長く続いたのに比して、現在はEF67形が8両。EF59はほぼ必ず重連運用に就いていたので、実質12両分でしかないとしても、かなりの激減である。
 かつては旅客列車にも補機が付いていたが、牽引機が高性能化したお蔭で1988年にオリエント急行がこの区間を通過して以来、旅客列車の後押しは途絶えている。ただし今は機関車牽引の客車列車自体が、絶滅状態になってしまった。



 セノハチの沿線風景も、通過車輌の変遷に伴い変わってきているようである。
 かつては、補機が付く上り線の線路は滑り止めの撤砂で白く、下り線の線路はブレーキから発生する鉄粉で赤くなっていた。
 蒸気機関車の時代は、動力性能も制動能力も現代より劣っていてやたら撤砂しブレーキを掛けたせいか、白黒写真でも判るくらいはっきりしたコントラストが生じている。
 それがEF59・EF61-200が活躍している頃までは、上りと下りで比較的判り易い色の差が見て取れるが、最近の写真を見ると上りも下りも同じように見えてしまう。EF67がくっついているから上り線なんだなぁ……と判るが、補機のつかない列車なら区別が付かないかもしれない。

 EF67形はチョッパ制御で撤砂に依存しない強力な粘着力を確保し、下り回送時は回生ブレーキで過度に空気ブレーキをかけなくても抑速可能な制動力を得ている。EF210-300形になればインバータ制御に進化し、ますます上下線のコントラストは解消される方向へ向かうに違いない。


 懐かしい機関車が引退しても、沿線の風景が移り変わっても、厳然と存在する急勾配に挑む重量貨物列車の苦労は変わらない。
 上下線のコントラストは消え去るだろうが、青いEF210-300と紅葉色のEF67とが、セノハチに新しいコントラストを持ち込んだ。当面は両機による力強い後押しの競演が続くだろう。
 その様子を、子どもたちに見せに行きたくなった。



Posted at 2012/10/22 21:25:02 | コメント(3) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記

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