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　引き続き全国紙・読売新聞のニュースサイト｢YOMIURI ONLINE｣の配信記事から『村民「全国の笑いもの」セクハラ村長、議会解散』に苦笑す。


　昨日の下関市長と同世代の政治家が為した失態。｢博士論文｣云々と併せ、団塊～ポスト団塊世代の身勝手さ・醜悪さが濃縮された事例とみれば理解し易いか。

　政治家の下半身問題と云えば先だって、ふしだらな行為や禁止場所での喫煙が露見した北海道11区選出のエロバ(以下自主規制)の話題を記事にしたが、同じ猥褻でもこちらは平日午後の「ソープドラマ」的なのに対し、大衡村長の方は休暇で訪れた温泉地に残る｢昭和の秘宝館｣的な印象。どちらも人間の安っぽさが滲み出ていて、私個人としては鑑賞に値しないものと断じる。



　著名な政治学者にして、東京六大学の一角・明治大の第11代学長を務めた故岡野加穂留名誉教授は講義に際し、「政治家を志すなら自治体の首長を目指せ」と学生を諭した。

　当選してなお｢小僧扱い｣され、総理総裁まで辿り着くには絶望的に長い道のりを経なければならない国会議員に比べ、自治体首長は選出・就任すれば所属政党に関係なく即座に手腕を発揮できる。
　戦後にアメリカの制度を参考として整えられた地方自治体の行政組織は、体制的には大統領制に近く首長の権限が大きい。特に首都・東京の都知事ともなれば、マレーシア連邦の国家予算に匹敵する一般会計予算を執行し、韓国のGNPよりも大きな経済力を抱える地域の行政を担うことになる。

　
　巨大与党の一員に埋没する、もしくはしがない野党政治家のまま政治生命を終える可能性の方が高い国会議員よりも、故岡野加穂留名誉教授は自治体首長のやりがいの大きさ・影響力の強さに着目し、学生を導こうとしたのだ。



　現大衡村長は、自ら解散した議会によって再び不信任を突き付けられ、失職することだろう。
　日本を訪れたこともある英国の政治学者、ジェームズ・ブライスが発した「地方自治は民主主義の学校である」という金言に照らせば、倫理政経もしくは公民の教科書に載っていた、地方自治体の議会解散・首長解職の仕組みが実地で理解できて有難い反面、読売新聞の記事に記されている通り住民にとって行政の混乱は迷惑なことこの上ない。

　新村長には是非とも、故岡野加穂留名誉教授が念頭に置いたであろう、高き理想に燃えた眉秀でたる若者に就任してもらいたいと願う。