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　初冬にしてはやや暖かい陽気の下、順調に日程を重ねる明治神宮野球大会。本日挙行された高校の部決勝では、キャプテン・清宮の活躍空しく早稲田大の弟分・早稲田実業高が履正社高に敗れ、準優勝となった。

　早稲田関係者の無念は察するに余りあるが、一方で栄冠に輝いた履正社高は、結構な数の選手が各大学へ進学し、リーグ戦の主役に躍り出る。
　ほぼ早稲田大へ進むであろう早実よりも、進路のヴァリエーションでは履正社高の方が興味深い。

　さて再来年以降、週末の神宮球場で見守ることができる選手は居るだろうか。
　最後まで熱戦を見せてくれた早稲田実業高・履正社高を讃え、選手の今後に期待したい。



　臙脂のロゴが附されたユニフォームが去った後は、紫紺のロゴが附されたユニフォームが登場。
　我らが東京六大学代表・明治大が関甲新リーグ代表・上武大と対戦した。
　リーグ戦では名勝負を演じる明・早の試合が前後に並ぶことはよくあるが、全国大会の場で、しかも世代の違う早稲田・明治のチーム同士がリレーする光景は珍しい。

　明治大はドラフト指名されたエース・柳と、二番手・星の継投で完封し、早実の無念を晴らすかのような勝利で決勝進出。
　ただ打線は湿り気味で、得点はタイムリーエラーに加えて、何と柳が放った2ランの3点のみ。
　味方が点を取ってくれないなら自分で稼いだる！という柳の心意気は天晴れだが、援護できなかった打撃陣は、反省し立て直して貰いたいところ。

　明治大と決勝で当たるのは、東都大学リーグを制した日本大を破った桜美林大。
　エース・佐々木を温存しながらも、日本大の猛追を振り切った。


　さて明日は、日本の野球界で一番最後まで試合ができる、最も幸せな両校の真剣勝負。
　神宮球場での観戦は叶わないが、ファンの一人として注目したい。




　桜をば美林に成せど志士起ちて
　　　　　　　維新の風に花散り往かん