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2016年11月21日 イイね!

用水

用水 本日送達された日本自動車連盟(JAF)の機関誌「JAF Mate」2016年12月号のコンテンツから『岡山で多発、用水路転落死』に注目。

 ほぼ同内容のコンテンツは、産経新聞が運営するニュースサイト「産経ニュース」上でも本年3月23日付『「異常と思わないのが異常だ」県警本部長も絶句…なぜ起きる?“岡山特有”の用水路転落死亡事故』で既に扱われており、交通安全を啓発するメディア(=JAFMate)としては些か遅すぎる後追い記事である。


 道路の側からの分析は両記事で十分に尽くされているので、私はこの記事を、水路の側から読んでみた。



 自然にできた小河川、または近世以前に人力で掘削された水路なら、比較的勾配の緩い草生した斜面があり、その先にちょろちょろ水が流れている状態だったものと推測する。

 そこへ自転車やスクーターが突っ込んでも、死亡事故に至る危険性は低い。
 せいぜい擦り傷を負ってずぶ濡れになるぐらいだろう。


 しかし食糧増産を支える用水需要の増加で、流路の断面を拡張させ、効率的に大量の水を送らなければならなくなった。加えて農業機械の普及・大型化や、農地周辺に迫る都市化に伴い、まるで畦道だった用水傍の通路幅を広げ、荷重に耐えるよう強化する必要が生じ、水路は垂直の擁壁が続く四角断面に作り変えられた。

 流量が多い時季、特に子どもが転落すれば溺死の危険が大きい。一方で水が少ない冬場であっても、仮に水路深さが1.5~2m程度だった場合、転落すると頭部を強打し致命傷を負う確率が高くなる。


 ならば公衆の安全を担保すべくガードレール(自動車交通がある場合)・転落防止柵(歩行者・自転車交通のみの場合)の整備が必要になるが、水路・河川と道路では、インフラの管理者が異なる。
 同じ行政が管理していたとしても、担当部署や予算は別建てにされているのが一般的だ。


 他の自治体では、水路管理の予算で厳重にフェンスを張り巡らすか、コンクリート製の蓋を架ける・更新の過程でボックスカルバートを挿れるなどして暗渠に造り変えている。
 オープンな水路として維持していくなら、道路の管理者と連携し、水路の改築と並行してガードレールや防護柵の設置を進めている。

 岡山の場合は管理者が互いに仲が悪いのか、或いは頭が固いのか、はたまた先立つ物が無いのか、警察トップが「異常だ」とキレ気味な苦言を呈する状況となっている。




 ただ、これ以上行政の不作為ばかりを論っても、得る物は少ない。
 ここは民間ベースで解決策を検討してみてはどうだろう。

 岡山には「大和クレス」「ランデス」など、全国的に名の通ったコンクリート製品メーカーがある。
 ガードレールやフェンスの基礎が仕込まれている・壁体を垂直方向に延長して柵を兼ねる……等々、安全施設整備に配慮したプレキャスト水路を開発し安価に供給できれば、問題となっている小規模水路周辺のリスクは大きく減じる。

 擁壁用として販売されている製品には、ガードレール基礎を造り込んである製品が既にラインナップされており、これをベースにすれば、新製品がすぐにでもリリースできそうな気がする。



 行政も資金を融通して共同開発に参画するなど、積極的に課題解決に動いてもらいたい。


Posted at 2016/11/23 09:55:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記

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何シテル?   04/18 19:29
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