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2017年10月18日 イイね!

月面

月面 全国紙・朝日新聞が運営するニュースサイト「朝日新聞DIGITAL」の配信記事から『月に50キロの地下空洞 探査基地に利用期待 JAXA』に注目。


 月面には予め、地下鉄・道路・共同溝・居住スペース・燃料や水の貯蔵その他もろもろのインフラや設備を収容して余りある容積のウサギ穴=大断面トンネルが穿たれていたというわけだ。

 ついつい建設業界人的な視点で記事を読んでしまうが、長さが近似の青函トンネル(総延長53.85km)が、総工費7,455億円。断層が複雑に輻輳する海底での長大トンネル掘削という施工条件の厳しさはあったが、もし月面に同規模のトンネルを穿とうと思えば、施工機械や材料および作業員・技術者をロケットで輸送しなければならず、桁が幾つ加算されるか分かったものではない。
 ちなみに現在打ち上げられているH-ⅡAロケットはフル装備で1基120億円するが、ペイロードは最大でも15t(低軌道まで)が精いっぱい。
 青函トンネルの総工費と同じ7,455億円を輸送費に注ぎ込むとして、打ち上げ回数は62回余り。大気圏外に持ち出せる貨物の総量は930tとなるが、これでは青函トンネルに敷かれた6本のレールのうち、海底部23.3km区間の1本分すらも運びきれない(23,300m×60kg=1,398t)。
 しかも月面に荷揚げする費用は別途、かつ坑道の断面積は、この度発見された空洞の方が遥かに大きい。


 人類は月面開発に当たって、技術面および経済面で大きなアドヴァンテージを得たものと考えてよかろう。夢膨らむ話である。



 一方で、懸念もある。

 宇宙空間や地球外惑星・衛星は、条約で領有権が認められないので、この空洞を日本の研究陣が発見したからと言って、日本が他国に対し排他的な権利を主張できるわけではない。
 せいぜい開発が具体化した際、優先的に研究・開発スペースを確保できる/地下空間の命名権を得る程度だろう。
 
 しかし、近隣某国が「日帝、月面でも侵略行為」だのと喧伝したり、逆に探査機や宇宙飛行士を送り込み、実効支配を進めたりするやも知れぬ。

 或いは国際協調が機能して、月面の植民地化がうまくいったとしても、世代が進むにつれてナショナリズムが高まり、地球政府に対して独立戦争を仕掛ける……なんてことも起こりうる。


 ウサギ穴にウサギが居なかったのは仕方ないが、ウサギ穴を人間の欲望や暴力で満たすことだけは、避けねばなるまい。
 
 月を見上げながら、地下空間の利用を夢見ている今が、一番ハッピーで平和な状態と言えるか。




Posted at 2017/10/19 23:08:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記

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何シテル?   04/18 19:29
 建設業界で禄を食む文系出身(経済学専攻)のプロフェッショナル・エンジニアが、愛車整備・政治経済・文化学術・スポーツそして土木施工の現場で日々記した野帳を公開し...
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