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　老舗有力経済誌・東洋経済が運営するサイト｢東洋経済ONLINE｣の配信記事から『司法書士に転身した近鉄ドラフト1位の軌跡～清原の｢外れ1位｣､桧山泰浩の異色キャリア』に注目。

　多くの人も同じかも知れない。この記事を読み、私は夏の甲子園大会に山口県代表として出場した下関国際高野球部監督が発した

　「文武両道は有り得ない」
　「『勉強』を言い訳にする」
　「野球一本に集中するから『一流』(＝そうでなければ『二流』)」

　等々のコメントに対する、強烈なアンチテーゼを感じた。
　特に「日本の高校球児が勉強をしないということがいちばんの問題じゃないでしょうか」の下りなどは、桧山氏現役時代にも見られなかったであろう、相手バッターの胸元を抉る剛速球として受け止めた。



　そもそもチームの体を成してない荒み切った高校の弱小野球部を、甲子園へ出場するまでに高めた手腕は、率直に評価されるべきだ。その過程で、例外を認めない厳格な管理教育が徹底されなければ、甲子園出場の栄冠を勝ちとれなかったことも理解できる。
　しかし、所詮はそこまでの話。
　
　高校野球は、異色の指導者が織りなすサクセスストーリーを競うイヴェントではない。
　指導者の手腕で成功体験を遂げさせた後、子どもたちがどのような人生を送るか、如何に世の中で活躍するかが問われなければならない。

　指導者の自己実現や学校の広報活動と並行して、子どもたちが佳き大人に成長し、社会に出て多大な貢献を果たすまでのストーリーを、学校当局以下の指導者は遍く提供する義務がある。


　桧山氏については、元々地頭が良かった特殊事情(偏差値70って、初めから野球の道に進むべきではなかったのでは？…笑)もあろうが、異色の経歴に触れてなお、望ましい将来像へ辿り着く道程を明確にし自ら切り拓いていったサクセスストーリーは、世代や業界を問わず大いに参考となる。




　
　ところで、私自身も資格取得(司法書士ほどではないが、相応の難関)を目指し、子どもたちは語学の検定にチャレンジしてきたが、偶然にも今日、同時に不合格通知を受け取ってしまった。

　病に斃れたことを言い訳にしたくないばかりに、都心の夜景を愛でつつ病院のロビーでも勉強を続け、逆境を跳ね除け晴れて合格……というストーリーを描いたが、無念にも画餅に終わった。

　今はまだ、新たなサクセスストーリーを組み立てられずにいるが、桧山氏の記事で勇気づけられただけでなく、負けていられないと闘志を掻き立てられたことは間違いない。


　これから1年は我が子たちと机を並べ、学びの時間を共有しようかと考えている。